ソフトB “軍師・三森”が走攻守でロッテ撃破導く 14日からCSファーストステージ

[ 2023年10月13日 06:15 ]

打撃練習を行うソフトバンク・三森(後方左で見つめる藤本監督)(撮影・中村 達也)
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 CS突破へ“軍師・三森”が策を練る――。レギュラーシーズン3位のソフトバンクは12日、ペイペイドームでの全体練習後にクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの舞台・千葉に移動した。2年連続2度目の短期決戦となる三森大貴内野手(24)は、ZOZOマリンでは打率・342と柳田、近藤以上の好相性を誇る。さらに走攻守で策士ぶりを発揮し、自身初の日本シリーズ出場へ意欲を見せた。

 CSファーストSへ本拠地での最終調整。三森はフリー打撃の最終打者だった。一球一球のスイング、打球方向を確かめつつ、大一番へ軍略を練った。

 「負けたら終わり。1試合ずつ、いろいろ考えて打席に立っていきたい。(CSは)去年もやってますが、しっかりと入りたい」
 初体験だった昨季はファーストSからファイナルSで敗退するまで、全6戦で「1番・二塁」として出場したが、打率・174、2打点に終わった。今季は3日の楽天戦で2安打し、上昇気配はある。「(3日に)則本さんと対戦して以降打撃はしっかりできています」。打席はバットを振るだけではない。明確に口にはしないが、多種多様の仕掛けを用意しているようだ。

 走塁にも秘策がある。「佑京さん(周東)はスピードが違うので。僕は策、違う良さも見せていきたい」。盗塁はタイトルを獲得した周東の36に次ぐ、チーム2位の14。単に二塁を狙うだけではない。スタートを遅らせてかく乱するディレードスチールなど、敵を欺く戦法も多くある。

 チームは9日にオリックスとのリーグ最終戦に敗れ、10日にロッテが勝ったために3位転落。本拠地でのCS開催権を逃し、舞台はZOZOマリンとなる。ただ、三森には追い風だ。ZOZOマリンでは今季10試合に出場し38打数13安打4打点、打率・342。近藤、柳田をも上回る好相性だ。「ZOZOマリンも短期決戦も変なイメージもない。意識することなく入っていけます」。頼もしさ、余裕さえ感じさせる。

 三森には楽しみもある。「日本シリーズに出たことがないので、何とか行ってみたいですね。高ぶる気持ちでセ・リーグともやりたい」。戦いの最中において司令官の戦略指揮を助ける軍師は中国・後漢から三国時代にかけ、活躍した諸葛亮が有名。三森は同じように口ひげをたくわえた風貌や、相手の虚を突くようなプレーから“軍師”と呼ばれる。

 「自分にとらわれすぎず、何とか考えながらのプレーでチームが勝つのが全て」。背番号13はオリックス、ロッテとの“三国志”を勝ち抜いた末の念願の日本一を見据える。 (井上 満夫)

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