DeNA・バウアー 10回123球の熱投!4位転落阻止、執念のドロー

[ 2023年8月4日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA0―0広島 ( 2023年8月3日    マツダ )

<広・D>10回、田中を左飛に打ち取り両手を広げてベンチに戻るバウアー(撮影・奥 調)
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 どうだと言わんばかりに、両手を高く広げた。そして叫んだ。DeNAのバウアーが、延長10回2死一、二塁から田中を左飛。10個目のゼロを並べて、負ければ4位転落となる一戦の引き分けに貢献した。

 「スムーズに試合を進めることができたが、勝つことができなかった。それが一番必要だった」

 勝てなかったことを悔やんだが、高校球児のような熱投だった。日米通算236試合目で、先発では初めての延長戦のマウンドに志願して上がり4安打で来日初の無失点投球。123球は、7月6日の日米通じ最多128球に次ぐ今季2番目だったが「10回に(この日最速の)154キロが出た。アドレナリンが出て今夜は眠れないかも」と胸を張った。

 初回2安打を許したが、すぐに修正。2回から7回まで無安打投球など、危なげない投球だった。「10回を投げたのは大学以来」というド根性の投球。球団の先発投手が延長戦まで投げるのは、07年7月13日のヤクルト戦で1―0完封勝利を挙げた三浦監督以来16年ぶりだった。この日は中6日だったが、中4日を好み投げることが大好きな右腕。根底にあるのが「負けるのが嫌い。試合が決まる前に降板すれば負ける可能性がある」という勝負へのこだわりだ。延長11回はウェンデルケンに託したが「本当は最後まで投げたかった」。指揮官も「完璧な投球。勝ちをつけることができなくて申し訳ない」と唇をかんだ。

 7月27日の中日戦に続き来日中の両親が観戦。8勝目は逃したが、3位は死守した。4日からは本拠地で首位・阪神と3連戦。「これから先は勝つことが大事なんだ」と思いを託した。(大木 穂高)

 ≪07年番長以来16年ぶり≫バウアー(D)が先発で10回無失点の力投。チームで先発投手が延長回まで投げたのは、07年7月13日ヤクルト戦で三浦大輔(当時横浜)が10回1―0完封をマークして以来16年ぶりとなった。また、全球団を通じ、外国人先発投手が延長まで投げたのは、10年9月4日、日本ハム戦のペン(ロ=10回無失点)以来13年ぶり。セではDeNAの前身・横浜のホルトが、02年9月4日中日戦で10回を1失点に抑えて以来21年ぶりだ。

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