穴はオレが埋める!阪神・島田が攻守でライバルたちに“宣戦布告”

[ 2023年7月5日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神1ー9広島 ( 2023年7月4日    マツダ )

7回、野間の打球を処理する島田(撮影・須田 麻祐子)
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 【畑野理之の談々畑】広島に大敗して悔しそう。でも大きな決意表明をしているみたいで、島田海吏は、いい表情をしていた。

 「チカさん(近本)はチームの中心選手ですし、チームにとって最悪の形で回ってきましたが、でもボクはいつ、どこででもいけるように準備していました。守備もチカさんの代わりとか特別には意識せず、捕れる打球をしっかり捕ろうと」

 島田が「8番・中堅」でスタメン出場。近本光司が右肋骨を骨折して出場選手登録を抹消され、代わりを任された。7回1死一塁から中前打。初回から点差が開いていたため目立つ1本にはならなかったが、4打数1安打と奮闘した。

 近本の離脱は痛すぎるが、島田には間違いなくチャンスだ。5日にもファームから外野手を補充するだろうが、でも中堅のポジションは渡さないよ、近本さんの抜けた穴はオレが埋めるよと、ライバルたちへ“宣戦布告”した。

 島田が唇を真一文字に結んで力強い言葉を発した瞬間を以前にも見たことがある。

 開幕第3戦、4月2日のDeNA戦。4―2の8回裏に2死から中野が四球を選んだ。島田はノイジーの守備固めで7回表から3番・左翼に入っていて、この試合初めての打席が回ったが、初球に中野が二盗に成功して2死二塁となると、代打・原口文仁を送られてベンチに下がった。その原口が次の球(カウント0―1からの2球目)を左翼席へ2ランして開幕3連勝を決定づけた。岡田彰布監督の采配、そして勝負勘がクローズアップされたシーンだった。

 その瞬間、島田はベンチ前で跳びはねて両手を突き上げて誰よりも喜んでいる。代打を送られて悔しかったはずなのに。「みんなからは“おまえの打点じゃないぞ”と言われましたが、試合が始まればチームの勝利のために動いて、チームが勝つのが一番うれしいです。原口さんが打ったんですから代打は成功じゃないですか。でも、ボクに1打点くれないですかね(笑い)」。ちょっと意地悪な質問にもニコニコと冗談を交えながら答えてくれたが、でも最後にキリッとして一言――。

 「あそこで代打を送られないように頑張ります」

 この日は1番・中野拓夢、2番・木浪聖也…8番・島田。この打順を見るとベンチの島田への期待は、まだまだ守備力の方が大きいが、そんな評価を見返したいと思っているはずだ。

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