ダルビッシュ MLBのデータ野球の“進化”に「つまらない。答えが出ている問題集と一緒になっている」

[ 2023年1月16日 13:30 ]

パドレスのダルビッシュ(AP)
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 3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選出されたパドレスのダルビッシュ有投手(36)が15日深夜放送のTBSスポーツ番組「S☆1」(日曜深夜0・25)で、元メジャーリーガーで現在はBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに所属する川崎宗則(41)と対談した。

 メジャーのデータ解析について、川崎が「有くん、今年特にスピンの量とか、メジャーリーグで投手がスピンの量を気にするといいますが、どうですか?」と聞くと、ダルビッシュは「スピンの量だけにフォーカスするっていうのは、そんなに重要ではなくて、どれくらい前に(球を)放せているかとか、どれくらい低い所から出てきているかとかが大事にされたりしますね」と言い、「それがリアルタイムでイニング間に見れちゃうんで。スピンどれくらい、リリースどっからしているとか、イニングごとに全部、紙でデータが出る。今は投手コーチとのコミニュケーションは基本的にそういうのが多いです」と、現在のメジャーでは、試合中のプレーがリアルタイムでデータ化され、それを基にすぐにプレーを修正していることを明かした。

 このデータの“進化”について、ダルビッシュは「変化球を投げるのとかは、すごく球質をよくするのはすごく楽な時代が来ました。どうすればいいのかっていうのが全部分かるから」と言い、「昔、なぜこの人のスライダーこんな曲がるの。なんで杉内さんはチェンジアップはこんなにいいんだ、藤川さんの真っすぐ、なぜこんな空振りするんだっていうのが昔はよく分からんかったけど、今は具体的にこうだからっていうのが全部分かる」と例を出しながら説明。

 「イチローさんが引退会見で、“(今の野球は)考えなくなっている”って言ったじゃないですか。打球角度がこうなったら本塁打になるから、こう打ったらいいですよねというので、みんなそういうふうになっていく。お金とかの面で(成績を残して)生活もしていかなあかんしっていうところで」と言い、「10年前、15年前にそんなに変化球投げられなかった投手が、今は投げられるようになってしまう。僕は、そういう意味ではつまらないです。答えが出ている状況。問題集と一緒で答えがある。分からないで解いていくというのが昔で、今は答えが横にあって、こういう感じで、じゃあ式をどうしていこうかっていうところの話になっているので、あんまり面白くない」と自身の思いを話した。

 イチロー氏は、引退会見で「頭を使わないとできない競技なんですよ、本来は。でもそうじゃなくなってきているのが、どうも気持ち悪くて。危機感を持っている人って結構いると思うんですよね」と語っている。

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2023年1月16日のニュース