侍ジャパン WBC全30人の陣容固まる 球数制限見据え過去最多15人が投手

[ 2023年1月16日 05:00 ]

侍ジャパンの栗山監督
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 3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの全30選手が15日、固まった。新たにヤクルト・高橋奎二投手(25)、オリックス・宮城大弥投手(21)、宇田川優希投手(24)、日本ハム・伊藤大海投手(25)が内定。投手はWBC日本代表では過去最多の15人で、球数制限がある大会の鍵を握る第2先発を充実させた布陣となった。世界一奪回を目指す最終メンバーは、1月下旬に正式発表される。

 栗山監督が掲げた「しっかり守って勝ちきる野球」を体現する最強のピッチングスタッフが形成された。最終30選手の半数となる15人を占めた侍投手陣。指揮官が重要視する第2先発を充実させ、大会に臨む。

 球数制限がある今大会。1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球となっており、特に1次ラウンドでの第2先発の役割は極めて大きい。栗山監督も、昨年11月の強化試合前に「先発と2番目の投手は広く見させてもらう」と語るなど重要ポイントと認識。慎重に見極めた結果、第2先発候補となる宮城、高橋奎、伊藤が加わった。

 東京ドームで3月9日に開幕する1次ラウンドB組は、中国戦を皮切りに強敵・韓国、チェコ、オーストラリアの難敵が並ぶ。世界一奪回へ勢いをつけたい4連戦。現時点で先発は、実績と経験豊富な大谷、ダルビッシュ、山本に、佐々木朗の4枚を想定している。その後に控える第2先発候補は6人だ。6日に先行発表された今永と戸郷に加えて、高橋宏と最後に加わった宮城、高橋奎、伊藤の左右それぞれ3枚。伊藤は試合終盤での起用への適応力もあり、臨機応変なオプションの一つにもなりそうだ。

 いずれもシーズンではチームの先発柱を担う面々。だが、栗山監督は昨年の強化試合4試合で高橋宏、宮城、戸郷、高橋奎の適性テストを実施。試合開始時間から逆算する普段の先発のルーティンを崩し、試合途中からマウンドに向かわせた。合計11回無失点と期待に応え、メンバーに名を連ねた。そして、ブルペンを支える「専門職」も充実。昨年の日本シリーズで好投した宇田川が内定した。育成出身で最速159キロの剛腕は、キャリアこそ浅いが短期決戦での実績は十分。屈強な外国人打者も力でねじ伏せる可能性を秘める。

 栗山監督は6日の会見で「ピッチャーを中心として点をあげない、しっかり守る。これがベースになってくる」と語った。まずは1次ラウンドを勝ち抜く。層の厚い強固な投手陣が、その礎となる。

 ▽WBCでの球数制限 これまでの大会同様、1次ラウンド65球、準々決勝80球、準決勝以降95球。打席中に到達した場合は、その打席完了まで投球でき、申告敬遠の球数は含まない。3連投は禁止で、50球以上では中4日、30球以上では中1日の登板間隔を空けなければならない。

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