大阪桐蔭戦の「迷ジャッジ」実は「名ジャッジ」? 元NPB審判員記者が解説 鍵は審判員のチームワーク
明治神宮野球大会 高校の部 準決勝 大阪桐蔭5―4仙台育英 ( 2022年11月21日 神宮 )
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大阪桐蔭は21日、明治神宮大会の準決勝で仙台育英(宮城)を5―4で下し、史上初の大会連覇に王手をかけた。春夏甲子園王者による対決で大阪桐蔭が伝令を通して判定を確認する場面があった。
0―1の2回、大阪桐蔭の守備。無死満塁からの三ゴロで三塁手は本塁へ送球し球審は「アウト」の判定。捕手は一塁へ送球して「セーフ」の判定で1死満塁かと思われた。
しかし三塁塁審は、三塁手が本塁へ送球する前に三塁ベースを踏んでいたと球審に告げ「タッチプレー」が必要だったとして三塁走者の生還が認められた。得点を認めて1死一、二塁で再開となる判定変更に対し、大阪桐蔭は伝令で確認するも覆らなかった。
結果的には大阪桐蔭が逆転勝利したものの、仙台育英が序盤の戦いを優位に進める上で大きな1点だった。11年から16年までNPB審判員を務めた記者が、(1)ジャッジの正誤、(2)混乱が起こった理由、(3)まとめ、の3点で解説する。
(1)ジャッジの正誤
三塁でのプレイを明確に「アウト」か「セーフ」と判断できる映像は確認できなかった。
バックネット裏の記者室で当該の試合を観戦していた記者。リプレー映像を確認すると三塁手はベースをまたぎながらステップして本塁に送球したように見え、三塁への触塁はなく「セーフ」の印象だった。だが、ツイッター上にアップされた、バックネットのやや三塁側からの映像では三塁手が本塁に送球する際、蹴り上げた右足が三塁ベースをかすめるような動きをしていることが確認できた。この右足がベースに触れていれば判定は「アウト」で正しい。
三塁塁審は三塁手から数メートルの「ベストアングル」といえる位置からプレイを確認し、すぐさま「アウト!」の判定を下していることから確信のあるジャッジであったと推測できる。映像で判定を検証するNPBの「リクエスト制度」、Jリーグの「VAR」に共通することは「明らかな間違い以外は審判員の判定通りにする」ということだ。「アウト」、「セーフ」のどちらにも見える映像がある以上、三塁塁審の下した「アウト」のジャッジは十分に尊重できる。
(2)混乱が起こった理由
ジャッジによる混乱が起こった理由は審判員の連携不足にあった。走者がいる時にベース付近へ打球が飛んだ際は「審判員同士の連携」がより重要になる。
今回の事象では三塁塁審が「アウト」と宣告した時点で二塁走者がアウトとなり、本塁へ向かう三塁走者は「フォースプレイ」から「タッチプレイ」に変わる。
この時、三塁塁審は「フォース」から「タッチ」に変わったことを球審に知らせる必要があり、大きな声とジェスチャーで「ヒー・イズ・アウト!、ヒーイズ・アウト!」と何度もコールしなければならない。これはNPB審判員でも徹底されている決まり事で、これができなければ試合後の反省会で厳しく指導される。
今回は球審が三塁塁審の「アウト」の判定を見逃したこと、また三塁塁審が「見逃し」を防ぐようなジェスチャーとコールができなかったことが判定を変更する事態につながった。ベストなアンパイアリングができていれば球審は最初から本塁で「セーフ」の判定を下せた可能性が高い。
試合後、大阪桐蔭・西谷浩一監督は伝令と審判員とのやりとりについて「球審は“(三塁手の)グラブが(ベースに)当たった”、三塁の塁審は“踏んだ”と話が食い違っていた」と振り返った。
この食い違いは「伝言ゲーム」によって発生したものだと思われる。記者の推測になるが球審は「タッグがあった」というような説明したのではないだろうか。「タッグ」とは公認野球規則で定義されている用語で、グラブで「タッチ」するとは意味が異なり、体でベースに触れる行為も含まれている。球審の「タッグがあった」のような説明を伝令は「(グラブで)タッチした」のように捉えてしまったのではないだろうか。球審が説明した一言一句を伝令が監督へ正確に伝えることは至難の業である。
公認野球規則に則る審判員が伝令の選手に説明を行うと、この試合に限らず上手くコミュニケーションが取れないことがある。今春の岩手県大会2回戦の花巻東―一関学院戦では1つの判定に対して11度も伝令が審判員と監督の間を往復することがあった。直接監督が審判員と対話するNPBではこのような事態は起こらない。
(3)まとめ
今回のプレーは判定を見極めること、審判員の連携を取ること、の2つの点で非常に難度が高いものだった。
NPBの1軍の試合でも同様のプレイで審判員同士の連携が取れず混乱を招いたケースがある。カテゴリーを問わず、ベース付近の打球に対しては過去のトラブルを教訓にしたアンパイアリングが求められる。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)
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