花巻東・佐々木麟太郎 2発で高校通算90号“大谷時代”超え4度目の県Vけん引

[ 2022年9月27日 04:00 ]

秋季高校野球 岩手県大会決勝   花巻東13―3専大北上 ( 2022年9月26日    岩手県営 )

6回に90号ソロを放った佐々木麟(撮影・柳内 遼平)
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 新怪物が衝撃の2発だ!今春選抜に出場した花巻東(岩手)が秋季県大会の決勝で専大北上に13―3で勝利し、昨秋に続く連覇を達成。佐々木麟太郎主将(2年)は「3番・一塁」で出場し、2戦連発となる高校通算89号&90号を放つなど4安打6打点を記録した。老朽化で高校野球の主要大会は最後の開催となった岩手県営野球場でど派手な活躍。出場が決定している東北大会(10月10日開幕、山形)へ弾みをつけた。

 菊池雄星、大谷翔平、佐々木朗希…。怪物たちは、この岩手県営野球場で数々の伝説を刻んだ。その球場で行われる高校野球の主要大会におけるラストゲーム。佐々木麟が活躍するのは必然だった。

 「小さい頃から県営球場で先輩方の試合に何度も足を運んできた。実際にプレーできて幸せでした。熱く長い歴史をつくってくれた県営球場に感謝して誇りに思っています」

 岩手発のスターの系譜を受け継ぐ男が最初の衝撃音を響かせたのは7―0の3回2死一、三塁。チェンジアップを逆方向の左中間に運び3ランとした。まるで右打者が引っ張ったような痛烈な打球で2戦連発の高校通算89号に「泳がされることなく打てた」と手応えも十分だ。6回は右越えソロで高校通算90号とし史上最多とされる通算111本塁打の早実・清宮(現日本ハム)が3年生の5月に達した節目に2年生の9月に到達。年内の100号も視界に捉えた。

 怪物は「神様」のエッセンスを打撃に加えていた。小学校の低学年から素振りが日課。飽きずに続けるための工夫が「ものまね」だった。当時は同じ左打者の筒香、丸、柳田を意識してバットを振り続けた。そして現在、参考にしているのは日本選手最多タイの55本塁打を量産している「村神様」ことヤクルト・村上のスタイル。「素晴らしい打者。真っすぐも変化球も(村上は)自分の形でスイングしている。(スイングが)ブレないことが大事。参考にしています」と目を輝かせる。

 県大会は4試合で15打数11安打で驚異の打率・733。3本塁打、10打点で主将として臨んだ初の大会で優勝に導いた。自身の岩手大会制覇の回数を4に伸ばし、OBで尊敬するエンゼルス・大谷が高校時代に記録した3を上回り「勝ちきれていることはチームとしてプラス」と笑った。

 父である洋監督は「県営での最後の試合だったので、1本打ってくれればと思っていた。この球場の最後に本塁打を打てたのは非常に良かったと思います」と目を細める。親子が狙うは甲子園への帰還。岩手県営野球場への惜別の2発を放った新怪物を中心に、来春選抜への参考資料となる東北大会に向かう。(柳内 遼平)

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