楽天・マー君 “第二の故郷”北海道で日本復帰後初勝利 球団初の1500投球回とW祝い

[ 2022年5月4日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2―1日本ハム ( 2022年5月3日    札幌D )

<日・楽>松井裕(右)からウイニングボールを受け取る田中将(撮影・西川 祐介)
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 北の大地で負けるわけにはいかない。8回2死一、二塁。楽天・田中将は最後に迎えたピンチの場面を「ただ向かっていくだけじゃなく、冷静に何をどう投げるか考えた」と振り返る。一発もある今川にフルカウントから投じたのは139キロのスライダー。コースは最も長打のリスクが少ない外角低めだ。空振り三振で感情を解放。「しゃあ!」という声が球場にこだました。

 8回を散発4安打で三塁も踏ませず3勝目も「状態は良くなかった」と言う。右腕の真骨頂は修正力。前回4月26日のロッテ戦はZOZOマリンの最大19メートルの強風にアジャストして7回1失点に抑えた。この日も尻上がりに球威と球速がアップ。5回1死一、二塁では相手がフルカウントからランエンドヒットを敢行してきたが上野を冷静に空振り三振に斬り、二塁走者も刺して併殺を完成させた。

 北海道は思い出の場所だ。駒大苫小牧で3年を過ごし、まい夫人の故郷。これで札幌ドームはビジター球場最多の9勝だ。メジャーから復帰1年目の昨季は2試合で0勝1敗。日本球界復帰後初白星で第二の故郷に恩を返し「一番はこの地に対する思いがある」と言い切る。初回に1アウトを取って球団史上初の通算1500投球回の節目にも達し「この地で達成できてうれしい」と感慨を込めた。

 中学生で投手に転向した際の憧れは松坂大輔。「エースというイメージがあった」と振り返る。これで開幕から5戦連続でハイクオリティースタート(7回以上、自責点2以下)を達成し、首位を快走するチームを今季初の5連勝に導いた。子供の頃に思い描いたエース像、そのものだ。(重光 晋太郎)

 《日米通算では2562回》田中将(楽)が3日、日本ハム戦で通算1500投球回を達成した。プロ野球181人目、楽天では初めてとなった。初登板は07年3月29日のソフトバンク戦。日米通算の投球回数は2562回(日=1507回2/3、米=1054回1/3)。また、札幌ドームでの勝利は13年10月1日の日本ハム戦以来9年ぶり9勝目。球場別勝利数は敵地では札幌ドームの9勝が最多だ。

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2022年5月4日のニュース