「日本中のファンに申し訳ない…」アクシデントで絶望に追い込まれた山梨学院・藤田蒼海を救った2人の言葉

[ 2026年5月6日 17:38 ]

春季高校野球山梨県大会決勝   山梨学院2―1東海大甲府 ( 2026年5月6日    山日YBS )

春季山梨県大会優勝に貢献した藤田蒼海 (撮影・柳内 遼平)
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 春季高校野球山梨県大会の決勝が行われ、山梨学院が2―1で東海大甲府に逆転勝ちし、3年連続10度目の優勝を決めた。

 1点を追う8回に6番・藤田蒼海(そう)内野手(3年)が左中間を破る同点適時打を放ち、続く9回に2番・高橋輝(3年)が中越えに決勝適時二塁打をマークした。

 沈黙していた打撃陣の中で逆転の機運をつくった藤田蒼は「チームに迷惑をかけてきた。貢献できてうれしい気持ちです」と控えめに喜んだ。

 今春の選抜では、心が折れかけるアクシデントがあった。初戦の長崎日大戦の三塁守備だ。正面に飛んだ強いゴロを弾いてしまった。慌てて一塁に投げると送球が逸れ、一塁手と打者走者が激突。一塁を守っていた今秋ドラフト1位候補に挙がる最速152キロの二刀流右腕・菰田陽生(こもだ・はるき)主将(3年)は左手首を痛め、途中交代を余儀なくされた。

 試合には勝利したものの、菰田は骨折と診断され、大会屈指の注目選手が戦線離脱することになった。野球にケガはつきもの。ただ、藤田蒼は「日本中のファンの方々に本当に申し訳ない気持ち」と責任を痛感していた。

 とても消化できない後悔の念を抱きながら骨折の診断を受けた菰田に謝罪すると「大丈夫」と優しく笑った。続けて「俺のケガの分までどんな形でもいいから勝ってほしい」と励まされた。従来からミスを引きずりやすい性格だったことから、吉田健人部長は「良いこと、悪いことがあっても、すぐに切り替える。どんなときも“今だけに集中”しよう」と助言を授けた。2人の言葉があったからこそ、選抜の2回戦以降もグラウンドに立ち続けることができた。

 実は前日の準決勝では走塁のミスをしていた藤田蒼だったが、夏の第1シード獲得が懸かる重要な一戦で「今だけに集中」し、殊勲打を放ってみせた。夏の第1シードを獲得すると、初戦から決勝まで気温が低く、グラウンドコンディションも良好な第1試合で試合を行える大きなメリットがある。チーム、そして投手として復帰予定の菰田のためになる“ポールポジション”を手中に収め「これまでは貢献できていなかったが、何とか勝利をもたらすことができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

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