中日・柳 2ストライクからの被打率が規定到達投手でリーグトップ 打たせず歩かせず、粘り勝ちで2冠

[ 2021年12月22日 05:30 ]

奪三振と防御率の2冠で自身初タイトルを手にした中日の柳
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 【データで振り返る21年12球団記録レビュー 9】中日の柳が自身初タイトルとなる168奪三振と防御率2・20で2冠。右腹直筋を痛めた昨季から復活。初めて規定投球回に達した19年(146奪三振、防御率3・53)を上回るキャリアハイとなった。

 168奪三振でのタイトルはセ・リーグでは20年大野雄(中)148、97年山本昌(中)159、78年斉藤明雄(大洋)162に次いで4番目の少なさ。リーグトップの奪三振率8・79も近年では11年能見(神)8・36以来の低い数字と、9回打ち切りルールで継投策中心となる中の省エネ戴冠とも言えるが、柳自身は2完投を含むリーグ&自己最多の172回をこなし、奪三振数を上積みする進化を遂げた結果の戴冠だ。

 19年も今季も140キロ台前半の直球に精度の高い変化球を交えて三振を取るスタイルは変わらないが、球種別で見ると直球とカットボールを主体にカーブとの3球種で占めた87・6%が今季は67・4%まで減少。代わってチェンジアップとスライダーが11・8%から31・5%に増加。球種の偏重改善が三振の取り方に幅を持たせた。

 その結果2ストライクからの被打率は19年の・212から・143となり、規定到達のセ9投手でトップの数字。パでもこれを上回るのは投手4冠の山本(オ)・112だけだった。さらにフルカウントでの勝負がリーグ断トツで多い132度ながら、被打率・207は3位、被出塁率は最少の・333と打たせず、歩かせず、46奪三振の粘り勝ち。最後まで強気の姿勢を崩さなかった。(記録担当・桐山 章)

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2021年12月22日のニュース