“今年は違うぞ”広島・床田&遠藤 フリー打撃登板で好発進 1年前は酷評の指揮官も満足げ

[ 2021年2月4日 05:30 ]

<広島キャンプ>フリー打撃に登板した床田 (撮影・奥 調)
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 広島の沖縄春季キャンプは第1クール3日目の3日に投手陣がフリー打撃に初登板し、床田寛樹投手(25)と遠藤淳志投手(21)が好投して念願の「スタートダッシュ」を決めた。調整に失敗して佐々岡監督から酷評された昨春から一転して高評価。先発争奪バトルが幕を開けた中、開幕ローテーション入りを期待される2人が、1年前とは段違いの仕上がりでアピールに成功した。

 佐々岡監督は、指にかかった直球を見つめながら、頭をかかえていた1年前を思った。「昨年悪かった遠藤、床田という2人が、今日の中ではしっかりと投げ切れていた。昨年の春と比べると、球自体も全然違う印象を受けた」。昨春は調整に失敗した遠藤、床田を辛抱強く1軍に同行させ続けても復調気配は見られず、開幕直前まで先発ローテーションを固められなかった。その2人が、キャンプ3日目にして指揮官から最高評価を得た。

 フリー打撃には薮田、高橋昂ら先発候補6投手が登板し、全球直球で勝負した。対戦する打者は主に若手だった中、床田の相手は堂林だった。見逃しストライク2球、ファウル7球と初球から11球連続(ボール2球を含む)で打撃ケージの外に打球を出させずに押し込んだ。全27球のうち芯で捉えられたのは6球(ボール7球)。快音が出たのはタイミングの合い始めた後半とあって、直球に強い堂林に対して好内容を見せた。

 「ほぼ真ん中だったけど、最初の方は球の強さがあったのかなと思う。1球いい球があって、堂林さんからも“すごく良かった”と言ってもらえた」

 遠藤は、羽月への全27球のうち安打性3本に抑えた。右方向に引っ張られたのは1本だけで、大半を力のない凡打にして圧倒し続けた。ボール球は4球のみ。課題の制球力を意識しても、球威は衰えなかった。

 「球速以上に見える直球を意識して投げた。球も来ているし、しっかりゾーンに投げ切れて腕も振れている」

 床田と遠藤は、指揮官が投手コーチ時代から手塩にかけた「秘蔵っ子」。昨季は2人そろって5勝と期待に応えられなかった。遠藤は「去年の失敗があったからこそ、今年はいい状態で来られている。失敗から学ぶではないけど、いろんなことを引き出しとして、今年のプラスにできればと思っている」と明かした。昨春出遅れた2人の「スタートダッシュ」が、先発争奪戦の号砲となった。 (河合 洋介)

 《森下 2度目ブルペンで変化球解禁》
 森下は、キャンプ初日以来となる今春2度目のブルペン入りで、変化球を解禁した。カットボール、カーブ、チェンジアップと持ち球全てを試投しながら、計58球を投じた。「変化球を投げたかったので投げてみて、(手応えは)悪くなかった」。フリー打撃の登板は第2クール以降の見込みで、「打撃投手やシート打撃も考えながら投げていきたい」と先を見据えた。

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