【阪神・矢野監督 新春インタビュー(5)】捕手固定は面白くない「新しいことが生まれる方がラッキー」

[ 2021年1月7日 10:00 ]

捕手として出場機会を争う梅野隆太郎捕手(中)と、原口文仁捕手(左)、坂本誠志郎捕手(右)
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 ――正捕手として2度のリーグ制覇を経験した。優勝するには、やはり絶対的な正捕手が必要なのか。

 矢野監督 今の野球は変わってきている。昔はそうだっただけで、今は規定打席に到達する捕手も少ない。(カード)3連戦同じというのもめちゃくちゃ少ない。優勝した巨人だって大城がいて炭谷が出たり小林が元気だったら分からないけど。広島だって、ジャパンに入っている会沢だって代わる。優勝しているのがいい捕手、メンバーが固定されているというのはオレらの時代の話で。昔のいいところももちろんあるけど、そうでなければダメとは思っていない。だから巨人との(開幕カード)3連戦(※1)も3人捕手を代えた。大きく負け越していたし、オレの中で何かやっていいんちゃうかなというのもあって。それぞれの投手との相性、打つ方もみんなしっかり結果を出していた。隆(梅野)を安心させるというよりは、新しいことが生まれる方がラッキーなんちゃうかなと。戻すなら戻せばいいしと思っていたから。

 ――必ずしも固定することが、今の野球では必要ではない?
 矢野監督 ジャイアンツだって打順、メンバーがめまぐるしく代わるし、ソフトバンクだってそう。捕手固定も含めて、そんなに決めなくてもいいのかなと。オレも面白いことをいろいろやりたいと思っているから。(開幕カードの)巨人3連戦も逆の目が出て(開幕からの4カードで)2勝10敗になってしまった面は否定しない。でも、やる意味はオレの中である。ファンの人からしたら“何してるねん”となると思うけど、何もしないのは安全策。それでは面白くない。巨人3連戦で捕手を代えて3連勝したら、向こうからしたら“えっ?”となる。配球も変わるし、やりにくいなと。でも、この結果になったのはオレの責任。

 (※1)6月19日の巨人との開幕カード3連戦で第1戦に梅野、2戦目に原口、3戦目に坂本を先発起用。2―3、1―11、1―7の3連敗に終わった。

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