ライオンズ70周年「名シーン」1位は「伝説の走塁」 辻監督も感慨

[ 2020年6月17日 11:23 ]

ライオンズ70周年の名シーンで1位になった「伝説の走塁」。1987年日本シリーズ第6戦、8回裏2死二塁、秋山の中前打で一塁走者の辻が一挙に生還
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 西武は「ライオンズ」という名称をチームにつけてから70年となる節目の年を迎えたことを記念し、3月9日から4月28日まで70周年特設ウェブサイトにて、ライオンズの70年分の試合で生まれた球史に残る12の名シーンから、ファンに1番好きなシーンを選んでもらう「ライオンズ70周年 名シーン投票」を実施。その結果が17日、同サイト内で発表された。

 約1000件の投票の中から1位に選ばれたのは、87年11月1日の日本シリーズ第6戦。3勝2敗で日本一に王手をかけた巨人との一戦で、現監督の辻発彦内野手が一塁から一気に生還した「伝説の走塁」。日本一を手繰り寄せる、貴重な追加点を挙げたシーン。首脳陣の鋭い洞察力と綿密な調査で相手守備の隙をついて進塁の指示を出したことや、全選手に植え付けられていた走塁への意識の高さによって生まれた、今でもファンの間で語り継がれる名シーンとなっている。

 ファンからは「この名シーンが偶然の産物ではなく、対戦相手の徹底的な分析により生まれた想定どおりのプレーだったということにただただ驚かされました」や「常に先の塁を狙う。現在のライオンズに脈々と受け継がれている伝統。その象徴的なシーンだと思います」などのコメントが寄せられた。

 この結果を受け、辻監督は「33年前か…。珍しいプレーだと思うけれども、こうやって語り継いでいただいているというのはうれしいことです」と話した。 また、当時のプレーやライオンズにとっての「走塁」について、以下のように語った。
 
 ――当時、走塁についてどんなアドバイスがあったのか。

 辻監督「日本シリーズの前、相手の隙をついて、次の塁を狙うということは口酸っぱく言われていました」

 ――打球がセンターに抜け、どのタイミングで「ホームまで行ける」と思ったのか。

 辻監督「最初から行けるとは思っていなかったです。でも二塁ベースを回って三塁に行くときかな…。三塁コーチから『このままホームに行かせるんだ』という雰囲気を感じました。だから緩めることなく『とにかくホームに行くんだ』という気持ちですね」

 ――ベテラン勢も含めて現在の西武もチームの走塁への意識が高いが、これは西武の伝統と言えるか。
 
 辻監督「プロだったら当たり前のプレーです。でもライオンズは意識付けされているからこそ、そういう風に見ていただけると思います。ライオンズのいい伝統なんじゃないかと思います」

 ――ライオンズにとって「走塁」とは。

 辻監督「得点する手段ですね。走塁への意識、技術を持っていればチームの得点能力も上がりますし、ヒットがなくても1点取れることもあります。相手に与えるダメージも大きいですよね」

 なお、2位は昨シーズンの7月19日、オリックス戦の延長11回、中村剛也内野手が高めの変化球をとらえ、劇的なサヨナラ本塁打を放ったシーン。中村にとっては、これがプロ野球史上20人目となる通算400本塁打目となった。

 3位は86年の日本シリーズ、広島との史上初の第8戦、秋山幸二外野手が同点に追いつく2ランを放ち、喜びを爆発させてバック宙でホームインをするシーンだった。

 70周年特設ウェブサイトでは、ベスト3に選ばれた名シーンの動画と、投票したファンのコメントが公開されている。

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