広島・新井 能見の“秘球”撃ち「今年はそれ1本で狙っていく」

[ 2018年1月19日 05:30 ]

丸(右端)らと笑顔でトレーニングに励む新井(左から2人目)
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 広島・新井貴浩内野手(40)が18日、阪神・能見の“秘球”打ちを宣言した。ライバル球団の左腕には4割近い打率を誇るが、昨季に限れば同・167と沈黙。秘球に幻惑されたためで、「今季はそれ1本で狙う」とキッパリだ。旧知の仲だからこその虚々実々の駆け引き。V阻止への包囲網は、チャレンジャー精神で打破する意気込みだ。

 マツダ屋内練習場での自主トレに合流して2日目。丸、鈴木ら若手とともにノックやフリー打撃に汗を流したベテランは終了後、報道陣の取材に応じ、阪神・能見との昨季対戦を振り返った。

 「新しいボールにやられた感じ。秘密兵器みたいな直球の緩いやつ。面食らったね」

 新井にとって元同僚の38歳はカモだった。62打数24安打、6本塁打、18打点と打ちまくり、通算打率・387のハイアベレージを誇る。それが昨季は6打数1安打、2打点の同・167。対戦した6シーズンで最も悪い数字に甘んじた。

 「チェンジアップなら最後に落ちるけど、そうじゃない。球速125、6キロぐらいでスーッと来るから、ついジッと見てしまう」

 左腕が昨季から投げ始めた“秘球”を、包み隠さず解説するベテラン。「あぁいう球を投げる人は、あまりいないんじゃないかな。投げる投手も怖いと思う」。投手心理まで推察してみせると、ニヤリと笑いながら次の言葉に力を込めた。

 「今年は、それ1本で狙っていきます!」

 能見の秘密兵器狙い撃ち宣言。虚々実々の駆け引きは、気心知れた仲だからこそだ。左腕から届いた賀状には「“今年は優勝させませんよ”と書いてあった」とも明かし、球団初のリーグ3連覇を目指す今季に向け、闘志を奮い立たせる。

 「昨季も(相手は)“負けないゾ”という雰囲気だったし、(自分たちも)それに負けないよう気合を入れて戦った。実際に連覇したわけだし、自分が逆の立場なら(カープを)意識して戦う。またチャレンジャー精神を持ってやらないと」

 リーグ連覇に慢心せず、油断せず、セ界に広がるV阻止包囲網を打破する挑戦者スピリット。昨季2位の虎を叩けば、頂点への視界はおのずと開ける。宣言通り“秘球”を狙い撃って、左腕に痛打を浴びせるか。百戦錬磨の一撃に注目だ。(江尾 卓也)

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2018年1月19日のニュース