筒香 大谷メジャーでもオレが救う「日本の方々に生きる活力を」

[ 2018年1月1日 20:00 ]

技術も精神も極める―。18年シーズンの目標を色紙に「極」と記した筒香
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 DeNAの筒香嘉智外野手(26)が、18年シーズンに懸ける思いを熱く語った。2年連続で3位になり、昨季は日本シリーズにも進出。若き主将は厳しい姿勢で臨む覚悟を示し、今季は1998年以来20年ぶりとなるリーグ優勝と日本一を目指す。大谷のメジャー移籍で空洞化が叫ばれる日本球界。日本を代表するスラッガーはファンを魅了する活躍を誓った。(聞き手・ 中村 文香)

 ――2年連続で3位に入り昨季は日本シリーズに進出した。

 「日本一に近づいているという感覚はある。みんな成長していっているが、まだまだ全然駄目だと思っている。もっともっとレベルが上がらないと、(日本一は)届かないところだなと思う」

 ――シーズンを通しての課題は。

 「ミスを減らせたら、もっともっと勝ちにつながる。振り返ると、ひっくり返された試合がかなり多かった。勝ちゲームなのに、勝ちきれないという試合が多かった。だから、勝ちゲームを確実に勝たないと駄目。そういう、もろさはまだある。投手陣も打撃陣もそう」

 ――日本シリーズはソフトバンクに2勝4敗で敗れた。

 「日本シリーズも勝たないといけない試合をミスで負けている。投手もそのミスをカバーできなかったし、打撃陣も取り返すことができなかった。一つのミスが試合を変える。ミスをしないのが一番だが、ミスをした後も全員でカバーしきれないのがあった。そこを取りこぼさないことが大事」

 ――今季の目標は。

 「18年はリーグ優勝を果たしたい。そのためにもっともっと各選手が勝つために、俺は何をしたい、何をしないといけないのか、というのを強く考えないといけない。だいぶ、みんな考えているとは思うが、実際足りていない。もっともっと今日のこの試合を勝つために何をしないといけないのかを考えないといけない。そういうチームの方向性をうまく引っ張っていく。プレーとしてはリーグ優勝、その日の勝利に貢献できるように毎日、頑張る」

 ――個人としてはどうか。

 「野球選手である以上はゴールはないし、答えもない。どれだけ打とうが、もっともっと成績を残したい、もっともっとチームに貢献したいと思うのが普通。だから、単純にもっともっと野球がうまくなりたい」

 ――うまくなるためのテーマは。

 「やりながらですね。やっていても今のイメージと感覚はズレてくる。その中でつくり上げていくので。現段階ではこれというのは分からない。これからつくり上げていく段階」

 ――数字的な目標はあるか。

 「打率や本塁打数の数字に追われるが、個人の数字とは勝負したくない。もちろん野球選手なので、その数字に責任を取らないといけないが…。何というか、自分がいい数字を出せばチームに貢献できると言う人はたくさんいるが、じゃあ、全員が3割を打って100打点を打てる選手かと言えば、そうではない。全員がそういう選手だったら勝手に勝てるのでそれでもいい。だけどやはり今のベイスターズだとそういうわけにはいかない。自分の数字どうこうよりも勝ちに貢献するプレーをしていく中で、いい数字が残ればいいなと思っている」

 ――侍ジャパン監督に打撃コーチだった稲葉篤紀氏が就任した。

 「本当に野球に対して謙虚な方。人間としても素晴らしい方だと思う。誰が見てもそうだし、話していてもそう感じる。部分的にこれというより、本当に選手に良くなってもらいたいために真摯(しんし)に練習に付き合ってくれた。最後まで見捨てずに責任を持って指導してくださった」

 ――その稲葉監督の下、2020年の東京五輪では主砲として金メダルを目指す。

 「優勝をプレゼントできるように活躍したい。それだけでなく、“日本の野球界のためにも”という思いが強い」

 ――主軸として侍ジャパンとDeNAでの役割の違いは。

 「比べることはできない。短期決戦とリーグ戦とは全く違う。日の丸を背負うには覚悟が必要。もちろん、その覚悟はある」

 ――大谷が海を渡る。日本球界を盛り上げる存在が必要。

 「僕が活躍することで子供たちが喜んで、野球をもっと好きになってくれたらいいと思っている。野球をやっていない子も野球に興味を持ってもらえるようなインパクトを残す活躍をしたい。あとは今、日本にいる方たちへの生きる活力というのを与えられるようなプレーをする使命があると思っている」

 ◆筒香 嘉智(つつごう・よしとも)1991年(平3)11月26日、和歌山県生まれの26歳。小2から野球を始め、中学では堺ビッグボーイズで全国大会8強。横浜高では2年の春夏に甲子園に出場し、高校通算69本塁打。09年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。7年目の16年に44本塁打、110打点で2冠に輝く。日本代表として15年プレミア12、17年WBC出場。1メートル85、97キロ。右投げ左打ち。

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