阪神、FA補強封印!大和の慰留&新外国人獲りに全力

[ 2017年11月14日 12:00 ]

やわらかな日差しを浴び、練習を見守る金本監督
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 FA補強封印――。阪神が今オフのフリーエージェント(FA)権行使選手の獲得を見送る方針を固めていることが13日、分かった。FA権保有の先発投手を中心に水面下で調査を進めてきたが、条件に合致する選手がいなかった。今後はFA宣言する大和内野手(30)の慰留と、ウィリン・ロザリオ内野手(28=韓国ハンファ)を筆頭候補にリストアップしている新外国人野手の獲得に全力を注ぐ。

 昨オフは、FA宣言した糸井をめぐるオリックスとの争奪戦を制し、大補強に成功した金本阪神。だが今オフは一転、FA補強を封印する方針を固めた。

 もちろん、最初からFA補強を見送る方針だったわけではない。今季の阪神は2位に入ったとはいえ、シーズン中から先発投手陣の駒不足に悩まされた。理由は先発の柱として期待した藤浪、岩貞が想定外の不振に陥ったことと、エースのメッセンジャーが8月中旬に右足骨折で戦線離脱したためだ。

 そこで球団は今オフの課題に先発投手の補強を掲げ、FA権を保有する先発投手の獲得調査に着手。今オフでは西武・牧田、野上、ロッテ・涌井、唐川らが該当選手と言えた。だが結果的には、牧田のメジャー志向が強いなど、球団の求める条件に合致する投手が見当たらなかった。

 加えて、10月26日に開かれたドラフト会議で1位入札した早実・清宮を外したが、その代わりに1位・馬場(仙台大)、2位・高橋(亜大)という即戦力の先発投手2人の獲得に成功したことも大きかった。

 若手先発投手の台頭も、FA補強を見送る一因と言える。入団1年目の才木、同2年目の竹安が、今秋キャンプで来季へ向けたアピールを継続中。指揮官からは早くも来春1軍キャンプ同行を示唆された。そして今季は制球難に苦しみ3勝どまりの藤浪も、復調気配を見せている。そのため、先発投手陣に関しては補強に頼るのではなく、現有戦力の底上げを優先する方針を固めたというわけだ。

 野手についてもベテランの福留、糸井、鳥谷が健在で、大山、高山、中谷ら若手も頭角を現しつつあり、今は補強よりも育成を重視する。加えてこの日、日本ハム・中田も残留を決断。阪神が野手のFA戦線にも手を挙げる理由が無くなった。

 球団幹部は「オフの懸案は大和選手の引き留めと、新助っ人野手獲得になるでしょう」と見通しを立てた。今後、球団はFA宣言して他球団との交渉に臨む大和の慰留と、ロザリオを筆頭候補にリストアップしている新外国人野手の獲得に全力を挙げる。

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2017年11月14日のニュース