大谷の交渉長期化も 米選手会が「新ポスティング」に反発

[ 2017年11月14日 06:40 ]

日ハム・大谷
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 日米間で協議中のポスティングシステムの改定案に大リーグ選手会が反発していることが12日(日本時間13日)、分かった。今オフは現行制度の継続で大筋合意し、15日(同16日)からのオーナー会議で承認するとみられていた。制度の発効が遅れれば、同制度活用でメジャー移籍を目指す日本ハム・大谷翔平投手(23)の申請時期へ影響する。

 GM会議に備え、各球団の幹部、代理人らが続々と会場の超高級ホテルに到着。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏も午後5時に会場入りし「機会を見て、お話しします」と足早に客室へ消えた。大谷争奪戦へ本格的に動きだしたが、裏では移籍の前提となるポスティングシステムの合意が揺らいでいた。

 米球界関係者は「(メジャーの)選手会がポスティングに反対の意見を持っているようだ」と明かした。AP通信が今オフは現行制度を継続することで大筋合意したと報じたのは8日(日本時間9日)。来オフ施行の新制度と併せ、15日からGM会議に続いて行われるオーナー会議で承認するとみられていた。選手会が反対する限り米国の合意、制度発効には進めない。別の関係者も「1カ月程度かかるかもしれない」と長期化を予想する。

 理由がある。大谷は25歳未満の海外選手獲得規定により、年俸は10万ドル(約1130万円)以下のマイナー契約となる。各球団ごとに契約金も制限されており、現状の最大額はレンジャーズの353万5000ドル(約4億円)。2000万ドル(約22億6000万円)の譲渡金が日本ハムに入る一方、契約金と年俸を合わせても4億円前後の大谷との「格差」を問題視しているもようだ。FAなら年俸10億円以上が予想され、正当な評価とならない契約は看過できないとの意見もある。

 さらに、現行制度の1年間継続との特例を認めれば、将来的な海外選手獲得の世界統一ルール制定を目指すロブ・マンフレッド・コミッショナーの方針に反することになるとみているもようだ。

 大リーグ公式サイトは選手会が代理人のバレロ氏と会談すると8日に報じている。ルール順守の誓約などが目的と予想されるが、大谷の移籍に関し、神経をとがらせている。

 13年の現行制度成立は12月だった。オーナー会議で承認を得られなければ、大谷の申請時期の遅れだけでなく、各球団の補強戦略に大きな影響が出る。

 ▼前回13年のポスティングシステム改定 12年6月にMLBが最高額で入札した球団が独占交渉権を持つ当初のルール改定をNPBに通知。12年オフは失効状態だった。13年10月に「1位と2位の差額の15〜65%を落札額とする」などの案で合意間近となったが、同11月14日(日本時間15日)にMLBオーナー会議が取り下げ白紙に。譲渡金上限2000万ドルの制度の発効は12月17日だった。

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