片岡感激!原監督の「ヤス」 楽天、オリ3年5億に対し2年3億でも心は巨人

[ 2013年11月28日 05:30 ]

巨人との初交渉を終えて、報道陣に対応するために移動する片岡

 西武から国内フリーエージェント(FA)宣言した片岡治大(やすゆき)内野手(30)が27日、都内のホテルで巨人と初交渉した。2年総額3億円前後の条件と背番号8を提示された。交渉中には現役時代に背番号8をつけていた原辰徳監督(55)から電話で熱烈ラブコールも受けた。片岡は楽天、オリックスに続き3球団目の交渉となったが、既に心は巨人移籍で固まっており、月内にも入団の意思を表明する。

 終始、落ち着いた表情だった片岡が、その時だけ相好を崩した。交渉途中での原監督との電話でのやりとり。「ヤスと言ってくれたので、僕のことを。ヤスと呼んでくれました」。すでに巨人の一員というような指揮官からのフランクな呼びかけに、相思相愛ぶりがうかがえた。

 「非常に熱い思いを伝えてもらいましたし、実績を高く評価していただいた。セカンドのポジションを空けて待っていると言われたので、ありがたかったですね」

 原沢敦球団代表兼GMらとの約1時間の交渉。これまで楽天、オリックスと交渉を行い、両球団から3年総額5億円前後の提示を受けた片岡にとって、巨人側からの提示は2年総額3億円程度。ただ、金銭面はさほど問題ではなかった。世界一連覇を達成した09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での指揮官でもあった原監督への崇拝。その原監督が現役時代につけた背番号8の提示を受け、「原さんがつけていたのを見ていましたので、原さんのイメージは強いですね」。そして、交渉中には元祖エイトマンから「自分の実力を出せば、日本を代表する選手なんだ」とラブコールを受けた。

 原監督の記憶に強く刻まれているのは、08年の日本シリーズ第7戦での片岡の走塁。1―2の8回に死球で出塁した片岡は二盗などで三塁まで進み、中島(現アスレチックス傘下3A)の三ゴロの際にギャンブルスタートで同点の生還。このプレーが勝負の分岐点となり、巨人は逆転負けで日本一を逃した。卓越した走力に加え、最近の巨人は仁志敏久を最後に正二塁手不在の状況が長く続いている。今季も先発二塁は59試合の寺内が最多で、計7選手が日替わりのように出場した。片岡の加入によって、ウイークポイントは埋まる。

 「伝統ある球団ですし、勝たなきゃいけないという中で試合をしていくのは、プレッシャーのかかるチームだと思う」。それでも、球界の盟主といわれるチームでプレーしていく覚悟はもうできている。

 ▼巨人・原沢敦球団代表兼GM 片岡君には正二塁手として非常に期待していますという話をした。なかなかウチとしては固めきれないところ(ポジション)だった。伝えたいことは伝えることができたし、いい話ができたと思う。

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2013年11月28日のニュース