連続日本一へ原監督は変わった 自身初の偉業へ「あえて意識させる」

[ 2013年1月3日 14:28 ]

自身初の連続日本一へ――。監督通算10年目のシーズンを迎える原監督

巨人・原監督インタビュー(2)

 初夢は自身初の日本一連覇だ。監督通算10年目のシーズンを迎える巨人・原辰徳監督(54)にインタビューし、完全優勝を果たした12年を振り返り、日本一連覇を目指す13年への思いに迫った。

 ――開幕直後に5連敗が2度あるなど苦しいシーズンだった。当時の監督の本音は。

 「苦しいって、あんまり思わないんだよね。勝負というものは結果が出て決まる物事。そこまでに結果を恐れるとか、不安になるとか、それは勝負する心構えとしてなっていない。俺はそう、自分に言い聞かせている。まだ戦えるんだよ、という環境の時には、あんまり思わない。これは特異体質だと思っているんだけど(笑い)」

 ――日本シリーズでは大黒柱の阿部の欠場もあったが、悠然と構えていた。

 「まだ、戦えるじゃないかと。慎之助のチームだと断言して、でもああいう状況になってね。慎之助がダメだったらこれだと、これもダメだったらじゃあ次はこれだと。そうやって前向きにいくしかないと思っていた。逆に困ったときに代打の切り札がいるじゃないか、とね」

 ――その結果、日替わりヒーローが生まれ、3年ぶりの日本一を獲った。

 「慎之助が出られなくなって、最初はベテランに託した。そしたら全く打たなかった。今だから言えるけどね(笑い)。だったら彼らに託すだけではなくて調子がいいエドガー、ボウカーとね。よし思い切って使おうと。これがダメだったらこれだとね。そうしないと何にもチームにとって栄養にならない。そうやって戦えた結果だった」

 ――今年に関してはあえて「日本一連覇を意識して」と口にしている。

 「日本一の連覇に関してはね。今まで何度か優勝して、リーグチャンピオンは3回連続で獲った。でも日本一は連続で獲っていない。そこで自分でどうしていたかなと考えた。“昨年の優勝というのはもうない。横一線からのスタートだと。気を引き締めていこうじゃないか”という基本線があってチームを動かしていた。これはダメだと。変えようと」

 ――その考えに至った理由は。

 「あえて意識させようと。特に昨年の優勝は完全優勝だった。僕らはギリギリの勝負で、やや上回った形が5冠だと思っている。だけど、相手の立場で巨人を見た場合“昨年の巨人は強かったな”と思うでしょう。だったらどうする?マークするよな、と。それなら、わが軍は私自身を含めてマークされているということを認識しようと。それでみんながマークする中で勝っていく。その準備をしようと」

 ――昨年の交流戦のように確信がある。

 「選手たちにはまず己を知ってくれと。そして相手はこういう状況で戦ってくるんだとね。それは己を知ることと相手を研究することにもなる。あえて今年はそのスタイルで戦いたいなと思っていますよ」

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2013年1月3日のニュース