阿部のチームではなくなる…原監督「主力8人不在は逆に楽しみ」

[ 2013年1月3日 14:20 ]

自身初の連続日本一へ――。監督通算10年目のシーズンを迎える原監督

巨人・原監督インタビュー(1)

 初夢は自身初の日本一連覇だ。監督通算10年目のシーズンを迎える巨人・原辰徳監督(54)にインタビューし、完全優勝を果たした12年を振り返り、日本一連覇を目指す13年への思いに迫った。

 ――昨年はセ・リーグ初の交流戦優勝を皮切りに3年ぶりのリーグ優勝、日本一など5冠。新たなシーズンへ向けての思いは。

 「メンバーがどうなるかですね。毎年メンバーは変わる。特にWBCで最初は8人の選手がいない状況ですからね。その分、彼らに頼るわけにはいかない。少なくとも2月3月という大事な時期に、特に(阿部)慎之助はいないんだから。だから慎之助のチームだと昨年は言ったけど言えないよね」

 ――阿部のチームではなくなる。

 「(WBCから)帰ってきた時点でどういうふうに僕が言うかですね。それまでは違った形で進ませる方法を僕はとるでしょう。ある意味レギュラー8人がいないのは逆に言えば楽しみ。どういうふうな動かし方をするかね。まだ100%のメンバーは決まっていないけど、ワクワクするね。新聞記者サイドにすれば地味な報道になるのかもしれないけど、監督、コーチは非常に楽しみにしていますよ」

 ――あらためて昨年の優勝したチームを分析すると。

 「12年度型のチームは若い途上の選手たちの集まりだった。僕はよく“チームは生きている”と表現すると思うけど、どうやって生きているか。どういうチーム状態の中で、生きて動いているのかということが大事。11年と12年のチームは全く生きている環境が違った。当然、戦術、用兵も変わった。若いチームだし、新しいチームだから思い切った用兵、戦術を使いやすかった。自分が確率のいい選択をすれば必ず、勝つことができるチームだったと思っていた」

 ――ラミレス(現DeNA)、小笠原が中軸を打った11年までのチームとの具体的な違いは。

 「11年までは“託すチーム”だった。ある程度、チームが出来上がっていて、選手に託すということに重きを置かなければならなかった。しかもそれを簡単に変えてしまうと、そのチーム自体を否定してしまう形になっていた。それが、昨年は決してそうではなかった。だからベテランもうかうかしてられなかったんじゃないかと思う」

 ――監督が常に言っていた実力至上主義のチームだった。

 「そう。期待した人がなかなか出てこない。じゃあ思い切って若手を使おうかと。そして彼らは結果を出した。そういうチームだったとは思いますね」

 ――そのチームに交流戦では優勝をあえて口にした。

 「ある程度、手応えを感じていた。このチームなら絶対、優勝できると思った。“優勝を狙おう、みんなその気になってやってくれと”。何度も交流戦を経験しているけど、初めての試みだった。勝てるとかじゃなくて挑戦できるだけのチームなんだということは自負していたんでしょう」

 ――暗示ではなく、確信があった。

 「暗示ではないよね。暗示とかいう言葉で前に進めるほど甘くない。本当に心の中からそう思った。間違いなくこのチームは挑戦権、チャレンジできるチームだと」

続きを表示

2013年1月3日のニュース