44歳・木田トライアウト最年長受験 海外も視野

[ 2012年11月10日 06:00 ]

12球団合同トライアウトで力投する木田

12球団合同トライアウト

(11月9日 Kスタ宮城)
 戦力外となった選手を対象とした2012年度第1回12球団合同トライアウト(入団テスト)が9日、56選手が参加してKスタ宮城で行われた。01年度から現行方式になったトライアウトでは最年長受験者となる前日本ハムの木田優夫投手(44)は、打者4人に対し無安打1四球の好投でアピール。現役続行を希望しており、海外移籍も視野に入れながら吉報を待つ。

 緊張も興奮もない。44歳の木田はいつも通り、体いっぱいに使って投げ込んだ。スリークオーターから繰り出す直球は最速133キロ。全盛時の球威はないが、打者を打ち取るすべは、プロ26年間で培ってきた。投手はそれぞれ打者4人と対戦。1四球を与えたが、最後の打者・仲沢は126キロのスライダーでバットを折り、投ゴロ併殺に仕留めた。

 「やれることはやりました。あとは周りの人がどう見てくれるか。プロ野球のユニホームを着て投げられるのはこれで最後かもしれないと思いながら投げました」。アピールタイムはわずか13球。それでも持っているものは全て出した。

 今季は1軍では1試合の登板に終わったが、2軍では主に中継ぎとして46試合で防御率2・68。日本シリーズはバックアップ要員として出場枠40人にも入り、登板に備えた。来季に向けて手応えもあったが、日本シリーズ敗退が決まった3日の試合後に戦力外を通告された。ショックは大きかったが「自分から辞めちゃうのはもったいない」と、その日にトライアウト受験を申し出た。

 巨人を皮切りにメジャー3球団を含む日米7球団を渡り歩いた。来季は45歳となる右腕は国内最優先ながら韓国、台湾球界についても「話があれば考えます」と、再び海を渡ることも視野に入れている。「今後の予定?クリスマスイブにトナカイになるぐらいしかない」と笑わせた木田。「いろいろなことを決断していかないといけない」。引退の2文字がちらつきながらも、今はひたすら現役にこだわり続ける。

 ▼ロッテ・林信平本部長 特に誰というわけではなく、全体的に見てました。木田?頑張っていい球を投げていましたね。

 ▼西武・宮田隆編成部プロ担当 個人についてのコメントはできない。

続きを表示

この記事のフォト

2012年11月10日のニュース