はしゃいでバカは封印…中畑監督 第一歩は空気つくる

[ 2012年2月1日 06:00 ]

さあ出陣!!自宅玄関の夢と刻まれた鏡の前で気合に満ちた表情でネクタイを直すDeNA・中畑監督

 霊峰富士に誓ったてっぺん獲り――。プロ野球は1日、沖縄、宮崎の両県で12球団が一斉にキャンプインする。新球団DeNAの指揮を執る中畑清監督(58)は31日、キャンプ地の沖縄・宜野湾入り。東京都調布市の自宅出発前には屋上から遠く富士山を眺めたが、この時期には珍しい鳥が羽ばたくような残雪の模様が出現。新生球団再生への意欲を新たにした新指揮官はその心情を「清の本音」としてスポニチ本紙に激白した。同手記は今後も随時掲載していく。

 いざ出陣。自宅を出る前、久しぶりに屋上へ上がった。快晴。透き通った空。木の枝の間にくっきりと霊峰富士が見えた。新幹線や飛行機から見えるといつも手を合わせている。大好きな富士山。「てっぺん獲れよ」と語りかけてくれているように思えた。

 昨年12月9日の就任決定以来、はしゃいでバカもやってきた。野球人として目標にしていたポジション。やっと縁に恵まれて単純にうれしかったし、沈滞ムードの球界に世間の関心を取り戻したい、という思いもあった。

 そんな時間帯はもう終わり。2月1日を境に視野を狭くする。いかにチームをつくっていくか。その一点に集中する。4年連続最下位。どん底からどう抜け出すか。その答え、難しくはない。みんながてっぺん目指し、力を結集する。それが第一歩。みんなが心をひとつにすれば必ず前に進める。その空気をつくるのが私の仕事。遠慮なく選手の中に飛び込んでいく。

 ノックで対決するだけじゃない。宿舎ではカラオケでも酒でもなんでもかかってこい。受けて立つ。体と体、気持ちと気持ちをぶつけ合ってコミュニケーションを図るのが私のスタイル。監督になったからといって変えるつもりはない。

 これまで多くの監督から学んできた。駒大の太田誠さんには自己犠牲の精神。巨人では長嶋茂雄さんから前傾姿勢と明るさ、その演出の仕方。王貞治さんには努力、研究心。藤田元司さんからは目配せ、気配り、思いやりを教わった。

 いいとこ取りはさせてもらう。でも、過去の監督像にとらわれたくはない。あくまでも自分のキャラを生かしたオリジナルの中畑清流。どんな結果になろうとも、自分の色を出さなきゃ意味がない。オレ流でいいんだ。

 春田真オーナーはDeNAの球界参入が決まったとき「3年目にCS、5年目に優勝」の青写真を示されたが、私の頭には3年目はない。2年契約。今年きちっとした方向性が出せなければ来年だってないと思っている。

 勝負の一年。悠長なことを言っている時間は私にはない。58年間培ってきたもの全てをぶつける。そのスタートとなる1カ月。苦しい修業になるのは覚悟している。

 宜野湾の宿舎に届いた背番号70の勝負服。気持ちが高まってきた。熱い心でてっぺん目指すぜ!!(横浜DeNAベイスターズ監督)

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2012年2月1日のニュース