ネパールから独立Lへ…ヒマラヤ背に白球追った22歳

[ 2010年11月30日 14:55 ]

大阪ホークスドリームと契約したイッソー・タパ投手

 ネパールから日本の独立リーグへ。一人の若者がこのほど、夢への第一歩を踏み出した。野球の関西独立リーグ、新加入の大阪ホークスドリームと契約したイッソー・タパ投手だ。

 「めっちゃ頑張りたい」と日本語で意気込む22歳。野球と出合ったのは13歳の時だ。ネパールで野球や日本語を教える「ラリグラスの会」のメンバーとの交流を通してだった。それまで全く競技の知識はなかったがすぐとりこになり、「みんなが見るからなりたかった」と投手を志した。

 練習の場はヒマラヤの山が背後にそびえるグラウンド。野生の牛が近くを行き交う中、白球を追い続けた。日本語の野球の本や米大リーグのテレビ中継を参考にして投球フォームを工夫し、バッティングセンターでは軟式球で140キロ台を計測するまでになった。
 ラリグラスの会の支援で昨年、ことしとトライアウトを受けるなか、練習に参加していた大阪ホークスドリームの目に留まった。「いろいろな道具があるし選手も教える人もうまい」。野球を存分にできることや、見たことのない海やきれいな道路など、異国の全てを満喫している。

 母国の野球環境は決して恵まれておらず、今もグラブは軟式用のものしか持っていない。それでも夢は「プロ野球の選手になっていっぱいお金をもらって、家族とネパールの野球のために頑張りたい」と膨らむばかりだ。

続きを表示

2010年11月30日のニュース