松井秀 意地の代打同点適時打で猛アピール!

[ 2010年9月29日 06:00 ]

<エンゼルス・アスレチックス>7回、代打で中前適時打を放つ松井

 【エンゼルス6-5アスレチックス】エンゼルスの松井秀喜外野手(36)が27日(日本時間28日)のアスレチックス戦で同点に追い付く意地の代打適時打を放ち、連敗を4で止めた。1点を追う7回2死一、二塁で起用されると、場内はこの日一番の歓声。残留を願うファンの声援に後押しされ、今季126安打目を放ち、昨季を1つ上回った。残り6試合中、5試合が左腕の先発予想で、出番は大幅に制限される見込みだが、数少ない出場機会に全力を注ぐ。

【試合結果


 消化試合とは思えない大歓声が、4万758人からわき起こった。1点を追う7回2死一、二塁。「代打・松井」のコールに、赤ゴジラや、ハートに包まれた55番など多種多様なボードがスタンドで躍った。

 代わったばかりの右腕ジェームズに対し、1ボールからの2球目、ボール気味の球をバットの先でとらえた。鈍い音が響き、バットが折れた分だけ減速したライナーが、中堅手の前で弾んだ。前日までの出場15試合で4度代打を告げられていた松井が、代打で意地の同点適時打。代走を告げられ退く背番号55に、惜しみないスタンディングオベーションが注がれた。

 この後、相手投手が3連続四死球と乱れて勝ち越し、チームは連敗を4でストップ。既に来季を見据えた戦いにシフトしているが「別に関係ないですよ、試合が始まってしまえば。消化試合も何も。勝つためにやるだけですから」と松井は力強くうなずいた。

 米メディアでも連日、退団の可能性が高いと報じられ、ファンも残留が厳しいことは分かっている。ソーシア監督の評価は一向に上がらないが、後半戦の打率・301、34打点はチーム2冠だ。この日のアナハイムは試合開始時の気温が36度。季節外れの熱気を、最高潮に高めたのが松井のバットだった。

 これで今季126安打とし、ワールドシリーズMVPにも輝いた昨季の数字を1本上回った。ただ、残り6試合中、5試合は先発予想が左腕。ソーシア監督は28日(同29日)は対戦打率・364、1本塁打と相性のいい左腕ブレーデンのため先発を明言したが、ほか4試合は先発落ちが濃厚。「打席に立つ以上、試合がある以上、最後まで勝つためにしっかり戦うだけ」と松井は信条である不動心を貫くことを繰り返し強調した。来季のためにも1打席でも無駄にはしない。残りわずかな出場機会で、野球選手としての底が試される。

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2010年9月29日のニュース