松坂「大輔スタジアム」で誓ったビッグな目標

[ 2009年12月1日 06:00 ]

「松坂大輔スタジアム」で少年野球時代の自分の写真を見つめる松坂

 レッドソックスの松坂大輔投手(29)が30日、北海道稚内市にある記念館「松坂大輔スタジアム」を訪問。WBCで2大会連続でMVPに輝いた記念トロフィーなどのグッズを目の前にし、13年の第3回大会出場を誓った。再び日の丸を背負うためにも、今季4勝に終わった巻き返しへ、来季のシーズン200投球回と世界一奪回の目標を掲げた。

 自らの手でつかんだ過去の栄光の品々を丁寧に時間をかけて見て回った。08年2月の完成以来、足を踏み入れるのは初めて。最後に立ち止まったのが、WBC、そして自らが戦ってきた日本代表のユニホームが飾られた一角だった。「こういう出来事があったのだと、懐かしく見ることができた」と話した松坂は、WBCの話題を向けられると言葉に力を込めた。
 「次回は4年後(13年)ですが、まだ僕は老け込む年齢ではない。今よりもフィジカルもメンタル面もレベルアップ、スキルアップできると信じている。自信を持って臨める状態にしたい」
 13年大会は32歳。2大会連続MVPを獲った松坂も円熟期を迎える。今年3月の第2回大会では「ダルビッシュやマー君、ワク(涌井)、若手投手が素晴らしい力を持っていると感じた」と話し、若手投手の力と勢いを肌で感じ取った。だが、まだエースの座は渡せない。中学のシニア時代から日本代表を張り続ける右腕にとって、日の丸をつけての戦いは野球人生の一部だからだ。
 そのためにはレッドソックスで結果を残すしかない。今季はWBC後に右肩の疲労で2度の故障者リスト(DL)入りし、わずか4勝に終わった。12年でレ軍との6年契約は切れるが、残留の可否にかかわらず、所属球団は今季の不調を受け、大会派遣に難色を示すのは間違いない。ここからの3年でいかに文句なしの結果を残すか。松坂は「チームにしっかりと貢献して世界一奪回をしたい。200投球回はローテーションを崩さずに投げなければ届かない数字だけど、健康に過ごすことができれば、成績を残せる自信がある」と07年以来の「200イニング&世界一」を目標に掲げた。
 記念館視察の前には、01年に他界した祖父・徳次さんのお墓参りも行った。「一番僕のことを応援してくれた祖父に報告をして、また一から頑張ろうという気持ちになった。ここ(稚内)は家族同様に大切な場所。またいい報告をしに戻ってきたい」。日本最北端の地で、松坂は過去の自分を超える決意をした。

 ◆松坂大輔スタジアム 08年2月23日、父・諭さんの生まれ故郷である北海道稚内市にオープン。横浜高、西武、レッドソックスで松坂が使用していたユニホームやグラブのほか、日本代表関連など200点近いグッズが展示され、松坂の球速156キロの速球を体感できるピッチングマシンコーナーもある。入館料は中学生以上200円、小学生100円。昨年2月から今年2月まで1年間で来館者は約3万人。

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2009年12月1日のニュース