“5冠”達成!原監督、来年も「維新」継続

[ 2009年11月27日 06:00 ]

<第11回スポーツニッポンフォーラム>グランプリを受賞した原監督はスポニチ・山本社長から盾を受け取り笑顔を見せる

 スポーツ振興支援と国民の健康づくりを考える異業種交流勉強会「第11回スポーツニッポンフォーラム」が26日、東京・文京区の東京ドームホテルで開かれた。「FOR ALL 2009」の表彰式では、今年3月のWBCで侍ジャパンを2大会連続の優勝に導き、巨人でも7年ぶりの日本一を成し遂げた原辰徳監督(51)がグランプリに輝いた。また、特別賞は認定NPO法人 スペシャルオリンピックス日本(有森裕子理事長)が受賞。グランプリには副賞として100万円、特別賞には同じく50万円が、スポーツニッポン新聞社・山本進社長から贈呈された。

 すでに気持ちは2010年に向かっている。すべてのタイトルを獲得した今年を振り返ることはしない。今季のチームスローガンだった「維新」の精神の継続。和やかムードで表彰式は進行していたが、壇上で来季についての話を振られた原監督は言葉に力を込めた。
 「今年は最高の結果が出たけど、チームとしては70%の状態。まだ、伸びシロはある。(来季は)若手も1、2人が出てほしいし、先発投手のメンバーも変わってくると思う。4番も新しい打者が出るかもしれません」
 WBCではダルビッシュを抑えで起用するなどして世界連覇。シーズンでは5番で亀井を起用するなどしてリーグ3連覇と日本一を奪回した。妥協をせず、常に柔軟な発想でベストメンバーを考えた結果、日韓クラブチャンピオンシップを含め“4冠”を達成した。王者として迎える来季も油断はない。不動の4番・ラミレス、エースのゴンザレスはもちろん、坂本、亀井ら生え抜きの主力にも目を光らせ、チームをまとめていく覚悟だ。
 3月のWBCを終えて帰国後、“侍フィーバー”を肌で感じた原監督は周囲にこう語っていた。「やはりプロ野球はファンあってのもの。高いお金を払って子供も見に来てくれている場所(球場)で力を抜いたプレーはできない。どんな状況であっても全力でプレーするのがプロなんだ」。重圧をはね返して世界の頂点に立ち、プロ野球の原点を再確認。ファンを魅了するため、シーズンも頂点まで駆け上がった。
 グランプリを受賞した原監督は「歴史ある賞で大変、感謝です。選手、スタッフ、ファンに支えられているとあらためて思っています」と周囲への感謝の言葉を並べた。2010年の目標はリーグ4連覇と日本一連覇。投手陣ではFAでのメジャー挑戦を表明した高橋尚が抜けるが、中継ぎでインディアンスからFAとなった元ロッテの小林雅獲得に動くなど、補強にも抜かりはない。頂点を目指す戦いは、もう始まっている。

 <コミッショナーも絶賛>加藤コミッショナーは祝辞の中で原監督へ感謝の思いを伝えた。昨年10月28日にWBC監督就任を依頼。「原監督は現役監督。WBCが終わっても使命がある。過酷なシーズンが終わるまで申し訳なくて、胃液と胆汁が出る思いで安閑としていられなかった」と話し、世界一連覇に始まってシーズン、日本シリーズまで勝ち抜いた原監督を絶賛。「この場で感謝の意を伝えられることをうれしく思います」と熱い口調で語っていた。

 <Gオーナー「感謝」>会場となった東京ドームホテルには巨人・滝鼻卓雄球団オーナー(70)と桃井恒和球団社長(62)も来場した。チームの指揮官が今オフはイベントや表彰式で大忙しという状況に、滝鼻オーナーは「こういう形で顕彰いただき感謝しています。これを糧に来年もスポーツ界に貢献できるようにと考えています」と話した。また、桃井社長は「今年は表彰などが多いね。喜ばしいことだと思う」と笑顔だった。

 ◆スポーツニッポンフォーラム 「スポーツ振興支援、国民の健康づくりを語り合い、明るく元気な日本をつくる」ことを目的に、官民一体で構成された異業種勉強交流会。開催は年4回で、うち1回は表彰制度を設けている。

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2009年11月27日のニュース