かじ取り難しい楽天 “神懸かり的”な進撃の後は…

[ 2009年11月27日 14:40 ]

 創設5年目の今季は球団史に残るシーズンとなった。リーグ2位で初のクライマックスシリーズに進出。野村前監督の退任という話題も加わり、球界を盛り上げた。後を引き継ぐのは前広島のブラウン監督。ただ、投打ともに課題を抱えている。大躍進の後だけに、かじ取りは難しい。

 新監督は就任会見で「投手陣はリーグ一、二。失点を防いで勝つことがキーだ」と青写真を描いた。今季は田中、岩隈、永井が2けた勝利を挙げ、新人の藤原も台頭した。引き続き、若い先発陣を中心に据えたチームづくりになりそうだ。
 一方、救援陣の不安は残る。今季は抑えが固定できなかった。新外国人として速球派のモリーヨを獲得したが実力は未知数。福盛、小山、青山らとの競争から、守護神を確立する必要がある。
 打線の軸は首位打者の鉄平と39本塁打、107打点の山崎武。だが、山崎武はもう41歳。年齢を感じさせない長打力は見事だが、チームとしては後継者の育成が求められる。大砲候補が芽を出さない現状のままでは、主砲の衰えとともに得点力が激減してしまう。
 後半戦では39勝22敗と快進撃を演じたが「神懸かり的な流れ」(野村前監督)に後押しされたのも事実。選手層の薄さを補う底上げがなければ、苦しい戦いを強いられる。今季の2位を上回るリーグ優勝より、2年連続のAクラス確保が来季の現実的な目標になるだろう。

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2009年11月27日のニュース