大田 ゴジラ背番もじっくり2軍で育成

[ 2008年11月20日 06:00 ]

仮契約を終え広島名産のしゃもじを手にポーズを決める東海大相模・大田泰示

 巨人からドラフト1位で指名された東海大相模・大田泰示内野手(18)が19日、実家のある広島県内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円、球団では高卒ルーキー史上最高額となる年俸1200万円で仮契約した。02年に退団した松井秀喜(34=ヤンキース)の背番号55を継ぐ高校通算65発の強打者だが、球団は時間をかけてじっくり育てる方針。将来の4番候補はまず2軍で力を蓄える。

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 周囲を圧倒する巨体と、いかつい顔には似合わない謙虚な目標だった。仮契約後の会見。山下スカウト部長から背番号55に正式決定したと伝えられると、大田は柔和な表情で切り出した。「ファンに愛される、熱いプレーで記憶に残る選手になりたい。松井さんは小さい頃、あこがれていたホームラン打者。自分も子供に夢を与えられる選手になりたい」。
 巨人と相思相愛のスラッガー。背番号を“譲る”形になる松井から「巨人の屋台骨となって頑張ってください」とエールを送られると、東海大相模OBの原監督も「期待は大きいだろうが、それをエネルギーに変えてほしい」と熱い言葉を寄せた。ただ球団は期待を背負う将来の4番候補だからこそ、じっくり育てる方針だ。
 昨季「強化指定選手」だった坂本が高卒2年目の今季、大ブレーク。来季からはフロントに「育成部」を設けるなど、生え抜きの育成を明確にしている。大田といえど例外ではない。原監督も「じっくり大きく育てたい」と、まずは2軍で2年をメドに力を蓄えさせる。大田も「坂本さんのように、若いうちから1軍で活躍したい」と話しながら「まずは2軍で結果を出したい」。一歩一歩、1軍への階段を上る覚悟だ。
 社会人としてもシビアに接していく。ある球団幹部は「過去に新人を特別扱いしすぎた。社会人としても厳しく教育する」と方針を打ち出す。注目の集まるドラフト1位だが、甘やかすことなくプロの荒波にもまれることになりそうだ。
 今後は年末まで母校で練習を続ける予定。年末年始は実家のある広島へ帰省予定だが「休んでいる暇はない。(来年1月8日からの)合同自主トレの準備をします」。謙虚な大物の戦いはすでに始まっている。

 ≪両親には「ありがとうの一言」≫会見には両親も同席した。大田は「広島から神奈川(の高校)に行って迷惑をかけた。今まで支えてくれて、ありがとうの一言です」と感謝。「まずはプレーで恩返ししたい」とグラウンドで元気な姿を見せて安心させるつもりだ。昨年は日本ハム・中田が1カ月の小遣いが30万円であることを明かして話題になったが、父の幹裕さん(50)は「これから相談します」と話した。

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