今オフにメジャーへ 上原、堂々宣言

[ 2008年4月8日 06:00 ]

FA権を取得し会見する上原

 4日にFA権を取得した巨人・上原浩治投手(33)が7日、川崎市内のジャイアンツ球場で会見し、メジャーへの思いをあらためて語った。権利の行使については明言を避けたものの「入団時からの目標」とメジャー挑戦を堂々と表明した。徹底マークを続けるマリナーズは北京五輪に球団幹部の派遣を検討するなど、複数球団での争奪戦は必至。球団側は全力で引き留める方針を示した。自らの発言でけじめをつけた上原は決意を新たに、8日の横浜戦(横浜)に先発する。

 キャッチボールを終えて汗びっしょりになった上原が、約10分間にわたって熱い思いを吐露した。
 上原 やっと10年目で(FA権を)獲れた。長かった。入ってきた時の経緯からして、海外でやりたいというのがあったので。入団した時からの目標は全く変わっていない。(メジャーは)夢としてとらえていない。目標として10年間とらえている。
 4日に権利を取得したが、今季初の阪神戦に配慮し、試合のない日を選んで発言した。シーズン中はFAの話題を封印する選手が多い中、異例の表明。大体大4年時にはエンゼルスが獲得を表明し、上原も渡米して本拠地球場を視察するなどエンゼルスか巨人の選択で揺れ動き、04年オフにはポスティングでの移籍を訴えた。あこがれは入団時から変わらなかった。
 上原 自分自身ウソはつけない。隠すことではないと思ったので。しゃべることによってすっきりした。自分もそんなに長くないと思うので目標を達成してから(現役を)終わりたいという気持ちは強い。
 メジャー球団の争奪戦も過熱することは必至だ。3年前から宮崎キャンプ視察に訪れているマリナーズの山本日本担当スカウトは「外国人相手の投球のコツを知っている。先発でも救援でもいける」と高く評価した。06年に井川(ヤンキース)、昨年は黒田(ドジャース)獲得に失敗。同スカウトは「来年に向けた戦力補強に動く時期。上の人間が行くと思うし、直接見てもらった方がいい」と北京五輪に球団幹部を派遣する方針を示した。上原はWBCではイチローとプレーし、アテネ五輪では城島とバッテリーを組んだ。“身近な球団”だけに本腰を入れる。
 今オフのFA選手の目玉。複数のメジャー関係者は「昨年の黒田と同等の評価になる」と3年総額40億円以上での交渉が最低ラインとの見通しを語った。国際大会は23試合で12勝無敗。豊富な経験でメジャー球や硬いマウンドへの対応も問題ない。昨年はチームで抑えを務めた経験も大きい。「(先発、抑えの)両方できるのを証明したい。選択肢は広がると思う。(先発にこだわりは)特に持っていない」と柔軟な姿勢を見せた。
 上原 (メジャーが)遠い存在じゃないのはみんな分かっている。僕が仮に向こうに行ったとして、成功しないといけない。この話は、きょうで終わり。シーズンに集中したい。
 堂々のメジャー宣言。上原が日本最後のシーズンで結果を示し、胸を張って海を渡る。

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2008年4月8日のニュース