松井 5番昇格で即決勝本塁打

[ 2008年4月8日 06:00 ]

<ヤンキース・レイズ>4回裏1死、二塁、松井秀は右越えに今季2号2点本塁打を放つ

 【ヤンキース2―0レイズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が6日(日本時間7日)、レイズ戦に今季初めて5番で先発して4回に2号2ラン。結果的に決勝点となる値千金の一発で2―0の勝利に導いた。チームは連敗を2で止め勝率も5割に復帰。ジアンビの負傷欠場により、前日までの8番から“3階級特進”した期待に一発回答。右ひざ手術明けでレギュラーの座も心配された今季だが、全試合出場で打撃も好調と最高のスタートを切った。

 王者の歩みだった。4回1死二塁、シールズの真ん中高めのチェンジアップを松井が一閃(いっせん)。高い弾道が右翼席に着弾する前から、両手に残る余韻を楽しむようにゆっくりとベースを一周した。
 「甘く入ってきてラッキーな面もあったけど、いい打撃、貴重な2点だった」。先制の2号2ランは終わってみれば両軍通じて唯一の得点だった。
 風邪が治り、ジラルディ監督が3試合ぶりにベンチ復帰。ジアンビが左内転筋痛で欠場、6、7番に入るカノ、ポサダも不調とあり、好調な松井を8番から5番に“3階級特進”させた。期待に応えた松井は「ずっとそういうところを打っていたわけですから。うれしいというか、やりやすさはありますね」と控えめな言葉の中に主軸打者のプライドものぞかせた。
 「シールズはメジャーでも屈指のチェンジアップを投げる好投手。マツイは誰よりもそれが見えていた」。ジラルディ監督も賛辞を惜しまない。第1打席は外角直球を中前打、第4打席は低めのカーブを右前打と今季初の猛打賞も記録。昨季12勝の実力派を通算打率・600、3本塁打、5打点と完全なカモにしている。今季チーム3勝のうち2つが松井の勝利打点。打率・350、2本塁打、4打点は開幕から全試合出場のヤ軍選手では“チーム3冠王”だ。
 連日気温1ケタと極寒の本拠地で全試合フル出場が続くが手術明けの右ひざも「問題ない。状態はいい」と言い切る。キャンプではユニホームの下に両ひざのサポーターが欠かせなかったが、開幕後、練習中は外している。全体練習前には連日、短パン姿で走り込み。この日も試合後すぐに予定された会見を延ばし、ウエート室にこもった。例年以上の練習量は、置かれた環境への強い危機意識からにほかならない。
 最高の出だしにも「微妙だね。反省の方が残るからね。まだ6試合、決して安泰ではないと思っている」と言い聞かせるように話した。危機感を伴う環境が、ゴジラをさらなる覚せいへといざなおうとしている。

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2008年4月8日のニュース