銀メダルの野中生萌「アキヨちゃんとメダル獲れて本当にうれしい」 引退する野口と一緒に表彰台

[ 2021年8月6日 22:46 ]

東京五輪第15日 スポーツクライミング女子複合決勝 ( 2021年8月6日    青海アーバンスポーツパーク )

スポーツクライミング・女子複合の野中生萌(AP)
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 東京五輪からの新競技スポーツクライミングの女子複合決勝で野中生萌(みほう、24=XFLAG)が銀メダルを獲得した。

 野中は第1種目の「スピード」で3位。第2種目の「ボルダリング」でも3位と、総合力を発揮。第3種目の「リード」でも5位と粘り、初代メダリストに輝いた。「想定していたよりも悪い流れだったので、なかなか楽しめなかったのがすごい悔しいが、最終的に(野口)アキヨちゃんとメダルを獲ることができて本当にうれしいです」。同じ日本代表として活躍し、この日で引退する野口啓代は銅メダル。見事に2人で表彰台に上がり、感極まった。

 約1カ月前に右膝、その後に右手首を痛める満身創痍(そうい)の状態ながら、予選を何とか突破。「予選はちょっと痛みに耐えられないところがあったが、痛みを無視してガンガン、テクニックも出していきましたし、痛みをこらえられたと思います」と、この日は痛みを闘志が上回った。ライバルもあり、最高の仲間でもあった野口と一緒に戦えるのは、これが最後という思いが体を動かした。「何よりも、個人的なパフォーマンスもそうですが、アキヨちゃんと一緒にメダルを獲りたいとずっと思っていたので、それが実現して、本当にうれしいの一言です」と、改めて胸中を語った。

 16年には世界選手権で銀メダルを獲得。18年には、W杯で初の年間総合優勝した。それでも、五輪出場資格を巡る混乱の末、昨年12月12日にようやく代表に決定した。ケガもあり、様々な困難を乗り越えての銀メダル。「ちょっと、まだ本当に獲った感じがしないけど、じっくり味わいたいなと思います」と話し、最後に「あきらめずに、全て乗り越えてきてよかったな、と本当に思います」と、涙ながらにしみじみと語った。

 ◆野中 生萌(のなか・みほう)1997年(平9)5月21日生まれ、東京都出身の24歳。東京・日出高(現目黒日大高)卒で、XFLAG所属。クラシックバレエと体操で身につけた柔軟性を生かし、ダイナミックな動きが持ち味。得意種目のボルダリングは16年世界選手権で銀メダル。18年W杯で初の年間総合優勝。19年世界選手権複合で日本勢2番目の5位に入った。1メートル62。

 ▽スポーツクライミング複合 スピード、ボルダリング、リードの総合成績で争う。各種目の順位を掛け合わせた数字が少ない方が上位となる。予選は20人で実施し、スピードは2本登ってタイムが速い方を採用し、ボルダリングは4課題に挑む。8人の決勝ではスピードはトーナメント戦で順位を決め、ボルダリングは3課題。リードは予選、決勝ともに1課題で実施する。

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