【岡崎真の目】羽生、4回転のレベル上がった 紀平、4回転サルコー投入が鍵

[ 2019年11月24日 09:00 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯最終日 ( 2019年11月23日    札幌市・真駒内セキスイハイムアリーナ )

男子フリーで演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 羽生の冒頭の4回転ループは踏み込んだ時に体が外に外れてしまった。それでもそのまま跳び上がり、大きなミスもなく普通に降りられたのはさすがで、ベストな出来でなくてもきちんと着氷できる一段上のレベルまで上がったことを証明した。

 次の4回転サルコーは高さも飛距離も十分の素晴らしいジャンプだった。ただ、プログラム中盤ぐらいから少し体の動きが抑えめになり、スピードがなくなったように感じた。2回転になってしまったトーループもスピードが足りなかったせいか、踏み切り足に踏み換える動作でしくじり、本来のタイミングで跳び上がれなかった。大事な踏み込みの部分にうまくつなげられなかったのであわてて跳んでしまうような形になり、途中でばらけてしまったのだろう。

 それでも、その後のリカバリーは見事だった。いつも言っているが、羽生は練習の時からこういうミスをしたらこういうリカバリーをするということがきちんとできている。実戦的な練習の成果が今回も十分に発揮された印象だ。

 紀平のトリプルアクセルは2本とも抜群だった。ただ、SPと合わせて3本跳んでも勝てなかったわけで、4回転サルコーがいつ投入できるようになるのか、今後の演技に注目したい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

この記事のフォト

2019年11月24日のニュース