松山 3差逃げ切って国内メジャー初制覇!名実ともに日本一

[ 2016年10月17日 05:30 ]

男子ゴルフツアー日本オープン最終日 ( 2016年10月16日    埼玉県入間市 狭山ゴルフクラブ=7208ヤード、パー70 )

優勝しカップを掲げる松山
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 初めての日本タイトルを手にし、次はいよいよ海外メジャー初制覇だ!首位から出た松山英樹(24=LEXUS)が5バーディー、4ボギーの69で回り、通算5アンダーの275で14年ダンロップ・フェニックス以来の国内ツアー通算7勝目、日米通算9勝目を初の日本タイトルで飾った。米ツアーで磨き上げた小技で難セッティングに打ち勝ち、今週から参戦する米ツアーの新シーズンへ期待が持てる勝利となった。

 最終18番パー4。松山はグリーン左手前ラフからの第3打を1・5メートルに寄せたところで「ほっとした」と優勝をようやく確信した。パーパットは遠くから聞こえる花火の音に邪魔をされて仕切り直したものの、カップをそれてボギー。「あれを外しているようでは」と苦笑いだったが、グリーンを取り囲んだ観衆はスタンディングオベーションで新たな日本オープン覇者に拍手を送った。松山は「この場に立ててとてもうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

 この日のフェアウエーキープ率は21・43%(58位)。ショットは本調子でなかったが、世界レベルの小技が快進撃を支えた。出だしの1番はグリーン右手前バンカーからの第3打を1メートルに寄せてパーを拾った。ラフからでもバンカーからでも寄せの巧みさが光り、「グリーン周りは楽に感じた。海外の経験が生きたと思う」と涼しい顔で振り返った。勝負を決したのは16番パー3。10メートルのフックラインを読み切ってバーディーを奪い、こん身のガッツポーズを繰り出した。「大事なところでうまく取れた」とうなずいた。

 誰もが欲しい日本タイトル。しかし、松山の視線は先にある。「僕はここを目指しているわけじゃない。通過点。海外メジャーで勝てるようにもっと練習したい」と言い切った。子供の時からの夢へブレることはない。

 松山の母校・明徳義塾中高ゴルフ部の高橋章夫総監督が「こんなに徹底して練習する子は見たことがない」と当時を振り返ったことがあった。松山は中学2年から高校3年までの5年間を明徳義塾の寮で過ごしたが、生活の全てをゴルフにささげた。朝5時に起床すると、すぐに校内をランニングし朝練習に参加。昼休みも練習場で打ち込み、放課後はゴルフ部の全体練習へ。時には夜も一人で黙々と打ち込んだ。プロになった今も練習熱心な姿勢は変わらない。2月にフェニックス・オープンを制した松山に高橋さんは「おめでとう」とメールを送った。返事は「もっと勝てるように練習します」だった。この言葉こそ、松山の強さの秘密を物語るもの。全ては将来、海外メジャーで勝つためだ。

 すでに米ツアーの新シーズンは開幕しているが、松山は今週のCIMBクラシック(20日開幕、マレーシア)で米ツアー4年目のシーズンをスタートさせる。「今週はむちゃなピンポジションもあったけど、そこでしっかり勝てたので自信を持っていきたい」。日本男子初の海外メジャー制覇へ勝負の新シーズンを迎える。

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2016年10月17日のニュース