彩夏、涙の初V 強気パットで引き寄せた!米ツアーへ弾み

[ 2016年10月17日 05:30 ]

女子ゴルフツアー富士通レディース最終日 ( 2016年10月16日    千葉県千葉市東急セブンハンドレッドクラブ=6635ヤード、パー72 )

ウイニングパットを決めガッツポーズする松森彩夏
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 1打差から出た松森彩夏(22=スターツ)が笠りつ子(28=京セラ)との競り合いを制して5バーディー、1ボギーの68、通算12アンダー、204でツアー2年目で初優勝を手にした。首位タイで出た笠は18番のトリプルボギーが響いて4打差の2位、堀琴音(20=東芝)も74と崩れて5打差の3位に終わった。

 初優勝を前に1打リードで迎えた18番、松森の前で信じられないシーンが展開された。現在賞金ランク3位、安定感一番の笠がガードバンカーに入れ、2度目でやっと横に出すだけ。グリーン奥に外した松森がパーでまとめ、あっけなく勝利が転がり込んだ。「アプローチを寄せてやっと勝てるかなと思いました」。優勝パットを沈めると笑顔でギャラリーに応えたが、笠の祝福を受けるとうれしさの涙がこみ上げた。

 優勝を呼んだのは好調なパットだった。3番で8メートルに始まり、6、7番と連続して3メートルを沈めるなど強気のパットでスコアを伸ばし、最終日のパット数は25。31だった笠とはグリーン上で勝負を分けた。横峯さくらのキャディーを務め、今年からコンビを組むジョン・ベネット氏が「ショットは良くなかったが、パットは完璧」と言えば、笠、堀も「パットが良かった」と舌を巻いた。

 松森に初めてゴルフを教えてくれた祖父、堤亘正さん(79)、そして両親の見守る前での晴れ姿。細身だが、1年間を戦い抜くため、今オフに体重5キロ増を目標とし、55キロにした。「安定感が増した。もう少し増やして60キロにしたい」とパワーアップを実感している。「1日5食」を作り続けた母・亜規子さん(46)は「本人も努力しており、勝てる自信もあったのでは」と喜んだ。

 20日からは高額賞金を誇る、スポニチ主催NOBUTA GROUPマスターズGCレディースに出場予定で、連勝を狙う。そして、3週後の米ツアーも兼ねるスポニチ主催TOTOジャパンクラシックの出場も確定した。2年連続で全米オープンに出場するなど、将来は米ツアーも視野に置いている。「自分の力を試せるチャンス。優勝したら?米ツアーに行きたい」と言葉を弾ませた。

 ◆松森 彩夏(まつもり・あやか)1994年(平6)5月19日、東京都生まれの22歳。日大高では関東ジュニア2位、日本アマベスト16。13年のプロテストに一発合格し、14年からツアー出場。昨年は賞金ランク40位でシード権を手にした。1メートル70、55キロ。

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