WADAに改革案を提示 透明性と態勢強化求める

[ 2016年10月8日 23:50 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、スイスのローザンヌでスポーツ界関係者を集めた会議「五輪サミット」を開き、リオデジャネイロ五輪前に発覚したロシアの国家ぐるみのドーピングを踏まえ、世界反ドーピング機関(WADA)に、より透明性の高い検査システムの構築と組織の態勢強化に向けた改革案を提示した。

 リオ五輪でIOCがWADAから勧告されたロシア選手団の全面除外を見送り、しこりを残した両者だが、2018年平昌冬季五輪までに国際競技連盟(IF)や国家から独立した新たな検査システム確立を目指し、連携強化を図る。

 提言は、選手だけでなくコーチや医師の取り締まり強化で各国政府や国際機関に協力を呼び掛け、ロシアのハッカー集団により選手の医学的データが流出している問題を踏まえ、情報セキュリティー対策の強化も求めた。IOCのバッハ会長は「薬物撲滅へ責任の所在を明確にしたい」と決意を示し、WADAのリーディー委員長は「WADAはクリーンな選手を守るため相当なパワーと権限を持つことになる」と述べた。

 WADAは11月に新システムを協議するが、実現には現在約3千万ドル(約31億円)の年間予算から大幅の増額や人材確保が課題となる。会議には国際パラリンピック委員会のクレーブン会長や国際陸連のコー会長らも参加した。

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2016年10月8日のニュース