真央 上々のSP2位発進 3回転半封印も「満足」

[ 2016年10月8日 05:30 ]

フィギュアスケート フィンランディア杯第1日 ( 2016年10月7日    フィンランド・エスポー )

今季初戦のSPで2位につけた浅田真央(AP)
Photo By AP

 女子ショートプログラム(SP)で、今季初戦の浅田真央(26=中京大)が64・87点で2位につけた。代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は当初の予定通り回避したものの、連続ジャンプやステップなど、他の要素はほぼノーミスの演技を披露。昨季の世界選手権銅メダリスト、アンナ・ポゴリラヤ(18=ロシア)が69・50点で首位に立った。

 滑り終わると、ホッとしたような笑みがこぼれた。「緊張感はあった」と明かした今季初戦。浅田はSPを終え、首位のポゴリラヤと4・63点差の2位につけた。「今の状況、調子の中で自分ができる全てを出せた。今回の試合の目的を、一つは達成できた。自分が予定していたエレメンツ(要素)はまずまず。満足はしているし、次につながる」と納得の表情を浮かべた。

 4日の出発時に「まだ入れられない」と話していたように、代名詞のトリプルアクセルは回避。ダブルアクセルを決めると、フリップとループの3―2回転にも成功。演技後半の3回転ループは着氷がわずかに乱れて出来栄え評価で減点だったが、「凄く激しくて複雑なので、一つ間違えると転んでしまう」と言うステップで好演技を締めくくった。小学3年生以来というフィンランドでも、浅田の知名度は抜群で大歓声を浴びた。

 26歳になった浅田は今季、一つのテーマを掲げる。「自分のペースで“マオペース”でいきたい」。シーズンが開幕しても、自身の内なる声に耳を澄ませ、急激なペースアップはしない。「いつもの初戦より、仕上がりは遅れている。まだまだ100%じゃない」。冷静に判断したから、トリプルアクセルには挑まなかった。

 今季はSP、フリーともに「リチュアルダンス」で舞う。2つのプログラムで1つのストーリーになる。「黒い鳥、ミステリアスな魔術師をイメージしている」というSPでは、ピアノの調べに乗ってその世界観を存分に表現した。違うアレンジの曲を使うフリーは、「赤」をイメージする。「試合をしていく中で、課題を見つけてクリアしていきたい」。一つ一つの演技が、浅田の完成度を高めていく。

 ▼浅田の昨季初戦 1年の休養後、フリーのみで争うジャパン・オープンで復帰した。553日ぶりの競技会でトリプルアクセルに成功。得点は非公認だが自己ベストに肉薄する141・70点だった

続きを表示

2016年10月8日のニュース