【岡崎真の目】真央 3回転ループとステップはもったいない

[ 2016年10月8日 05:30 ]

フィギュアスケート フィンランディア杯第1日 ( 2016年10月7日    フィンランド・エスポー )

 代名詞のトリプルアクセル(3A)にこだわるのではなく、今できることに集中したと思われる浅田の今季最初の演技は、好印象だった。体の切れもあり、小悪魔的な表現も「らしさ」がにじみ出ていた。5項目の演技点はトップの評価も受けており“地固め”としてはまずまずと言える。

 ただし、もったいないポイントもあった。GOE(出来栄え評価)でマイナスとなった終盤の3回転ループは、踏み切り前の予備動作が長く、着氷もやや回転し過ぎたためかスムーズさを欠いた。レベル4を取ったスピンの中には回転不足気味のものもあり、ジャッジングによっては取りこぼしとなったかもしれない。ステップもたった1つ2つのターンの甘さが原因で、最高レベルを取り切るところまではいかなかった。

 前述の部分は試合を重ねれば修正できると思う。一方で、世界の頂点を目指そうと思えば、要素の難度を上げていく必要はある。ダブルアクセルを3Aに切り替えたり、3―2回転を3―3回転の連続ジャンプにしたりしなければ、トップと競うことは難しいだろう。今後はいつ次の段階へと進む決断をするか、注目したい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2016年10月8日のニュース