キャブス首位なのに…指揮官を電撃解雇 レブロンと確執原因?

[ 2016年1月23日 14:14 ]

解雇されたキャバリアーズのブラット監督(左)と監督代行就任が濃厚なルー・アシスタントコーチ(AP)

 NBAキャバリアーズは2季目を迎えていたデビッド・ブラット監督(56)を22日に電撃解雇。昨季はファイナルに進出して今季も30勝11敗で東地区全体トップの成績を残していたが、デビッド・グリフィンGM(42)は「何度もロッカールームに足を運んだがチームが間違った方向に行っている」として指揮官の解雇に踏み切った。同GMは22日の緊急会見で「成績を見ればそんなことをしなくてもいいと思うだろう。しかし勝利数以外のもので私は判断した」と発言。具体例には言及しなかったが、レブロン・ジェームズ(31)とのぎくしゃくとした関係、そしてジェームズと同僚ケビン・ラブ(27)との不和などが人事刷新につながったのではないかという見方が出てきている。

 ブラット監督はイスラエルのマッカビ・テルアビブ時代にはユーロリーグを制し、最優秀監督賞を受賞。ロシア代表を率いるなど欧州では実績を残しているが、NBAは14年にキャバリアーズの監督に就任するまで未経験。昨季は序盤では19勝20敗と苦しみ、すぐに指揮官としての能力には疑問符がついた。その後ファイナルに進出したもののそれは“選手兼任監督”とまで呼ばれたジェームズの力量と見る向きも多く、今月18日にファイナルで敗れたウォリアーズに34点差をつけられて大敗すると「これでは優勝はできない」と再び批判されていた。

 一部にはジェームズが監督解任を進言したのでは?という声もあったが、グリフィンGMは「オーナー(ダン・ギルバート氏)には話はしたが、選手には誰も事前に相談はしなかった」と否定。ジェームズの側近も「解任の一報を受けたのは会見の1時間前だった」と語っている。

 後任監督にはポイントガードとしてレイカーズなどで通算554試合に出場した経験を持つティロン・ルー・アシスタントコーチ(38)の就任が確実。もともと「監督補佐」という肩書きを持っているため次期監督就任は規定路線だったが、それを前倒しする形での内部昇格となりそうだ。

 一方、勝率・675という好成績を残しながらの解任劇とあって、その衝撃はNBAの各監督にも波及。監督協会の会長を務めるマーベリクスのリック・カーライル監督(56)は「本当にショックだ。彼(ブラット)は欧州バスケットボール界の歴史に残る指揮官だし、その成績をみれば素晴らしい人材であることがわかるはずだ」と突然の解雇に驚きの声を上げていた。

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2016年1月23日のニュース