白鵬1敗並んだ!横綱最多670勝 北の湖にも追いついた

[ 2016年1月23日 05:30 ]

鶴竜(右)を送り出しで破る白鵬

大相撲初場所13日目

(1月22日 東京・両国国技館)
 目の前の一番でどんなことが起ころうが、白鵬に動揺はなかった。土俵下で琴奨菊が敗れたシーンを見届けて臨んだ鶴竜戦。左張り差しから受け止めると右下手で振って揺さぶる。そして左からの出し投げで崩して相手を後ろ向きにさせると最後は送り出し。直接対決で敗れた琴奨菊に追いつき「自分一人ではどうにもできないけど、並んでますからね。再び火も付きます」と力を込めた。

 これで昨年11月に急逝した北の湖前理事長が持つ横綱最多670勝に肩を並べた。在位63場所の北の湖に比べ、白鵬は現時点でまだ51場所。負け数も自身の方が「75」も少ないが、本人は「やった年数が違う」と謙遜する。その一方で記録達成の要因については、横綱昇進後の休場がたった一度だけという強い体に産んでくれた「両親のおかげ」と力説。父ムンフバトさんはモンゴル相撲のかつての大横綱で、母タミルさんは今でも相談相手の人格者。「親不孝したら次は人間として生まれてこないと私は思う。神様は試している」。故郷モンゴルに住む両親のことを片時も忘れず土俵に上がる気持ちは入門以来変わらない。

 「疲れてませんよと言ってもウソになる」。初日から古傷の左肘にサポーターを巻き、昨年秋場所途中休場の原因となった左膝にも多少の違和感はある。疲労軽減の対策は「禁酒」と「睡眠」の2つ。場所中に外食しても酒は絶対に摂取しない。自宅に帰ったら子供とは別室で眠る。当たり前のことを当たり前にできる性格だから、歴史上71人しかいない横綱の中で最も勝利を挙げた。

 「(横綱最多勝に)並んだからにはいい形で締めくくりたい」と36度目の優勝を意識し始めたが、残り2日の相撲に向けては「(特に)大事なことはないと思います」と一言。いつも通りの相撲を心掛ければ、結果はついてくる。

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2016年1月23日のニュース