【村上武資の目】いい状態の相手に錦織4セット勝利…自信にしていい

[ 2016年1月23日 09:38 ]

試合中に右手首の治療を受ける(AP)

 バックハンドからの展開が多い錦織だが、バックの打ち合いでガルシアロペスが全く甘くならなかった。バックのクロスラリーを制すれば、相手のボールが甘くなったところでフォアに回り込んで攻撃できる。そこで互角以上に打ち合われて、先に展開されて苦しくなった。緩急を使ったり、片手バックハンドの相手の高い位置を攻めたり、緩急もつけていたが、それでもなかなか崩せなかった。ガルシアロペスはストレートの精度も高く、ここに来ないだろうと思うような場所に打ち込まれていた。

 第1セットは取ったが、完璧に相手を崩せてはいなかった。第2セットの途中まではラリーの組み立ても明確ではなかったように思える。しかし、少しずつリスクを負って相手を左右に振ったり、あえてフォア側に打ち始めた。ガルシアロペスの精度が少し落ちたこともあるが、そのあたりの戦略の切り替えはさすがだ。相手がいい状態でも4セットで勝ち切ったことは自信になると思う。雨が降ってインドアの試合だったため体力的な消耗も少ないだろう。中1日で迎える4回戦に向けてもしっかり準備を整えてほしい。(ロンドン五輪日本代表監督)

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2016年1月23日のニュース