錦織“守備”よく5年連続16強 日本勢最多全豪19勝目

[ 2016年1月23日 05:30 ]

5年連続16強!苦しみながらも4回戦新出を果たした錦織(AP)

テニス全豪オープン第5日

(1月22日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルス3回戦で、世界ランキング7位の錦織圭(26=日清食品)が5年連続の16強入りを決めた。今大会初のシード選手との対戦で、世界27位のギリェルモ・ガルシアロペス(32=スペイン)のフラット系のストロークに苦戦。今大会初めてセットを落としたが、7―5、2―6、6―3、6―4で粘り勝った。錦織は女子の杉山愛と並んで日本勢最多の全豪19勝目。24日の4回戦では昨年の全仏オープン準々決勝で敗れたジョーウィルフリード・ツォンガ(30=フランス)と対戦する。

 コート上の勝利インタビューで、錦織は最後に「ありがとうございました」と日本語で付け加えた。ベンチ裏の客席に足を運んでサインに応じ、タオルを何枚もスタンドに投げ入れた。厳しい戦いだったからこそ、錦織コールの後押しをくれたファンへの対応も無意識のうちに手厚くなった。

 普段は攻撃面が強調される錦織だが「きょうはディフェンスの時間の方が長かった」。戸惑ったのは相手の思い切りのいいフラット系の強打。「かなりフラットで打ってくる場面が多かった。前回はそこまでガツガツこなかったので予測していなかった」

 快勝した14年5月の前回対戦はクレーコート。弧を描いて高く跳ねるスピン系が多い印象を抱いていた。ところが今回のガルシアロペスは別人。軌道が直線的なフラット系の球に対応時間を削り取られた。「球は重くなるし、深く打たれると守備しかできなくなる」。長いラリーを得意とする錦織が、9本以上のラリーで14対15とポイント数で下回った。

 第1セットを競り勝った直後には右手首の治療を受け、第2セットは2度のブレークを許して今大会初めてセットを落とした。「精神的にもきつかったけど集中し直そうと思った」。リードしてからもサービスキープに苦しみ、重苦しい雰囲気は晴れなかった。第4セット 終盤にはリターンミスした自分にいら立って「入れろ!」と怒鳴りつける場面もあった。

 それでも守勢から徐々に挽回した試合内容は次戦にも生きる。全豪オープン通算19勝目で、5年連続の16強入り。準優勝した全米オープンも13勝止まりとあって、相性の良さは抜群だ。4回戦はツアー屈指の攻撃力を持つツォンガ。「これからは1、2回戦のようにいつも攻めているわけにはいかない。攻撃と守備のバランスをしっかり整えたい」。攻めて良し、守っても良しならベスト8への道も自然と切り開ける。

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2016年1月23日のニュース