新シーズン不安…錦織 消えた勝負強さ 全豪前哨戦4強逃す

[ 2016年1月9日 05:30 ]

ショットをミスし、がっくりと自身のTシャツで口をぬぐう錦織(AP)

テニス・ブリスベン国際

(1月8日 オーストラリア・ブリスベン)
 男子シングルス準々決勝で、世界ランキング8位で第2シードの錦織圭(26=日清食品)は4年連続の4強入りを逃した。地元の声援を受ける同18位のバーナード・トミック(23=オーストラリア)に3―6、6―1、3―6で黒星。4大大会初戦となる全豪オープン(18日開幕、メルボルン)に向けて、前哨戦は弾みのつく結果とはならなかった。錦織はグリゴル・ディミトロフ(24=ブルガリア)とのペアで9日のダブルス準決勝に臨む。

 地元のトミックの勝利に沸くコートから錦織は静かに姿を消した。昨年の大会ではわずか4ゲームしか与えなかった相手にベスト4入りを阻まれた。「お互いのサーブが結構キーだったと思う」とサーブの出来に敗因を求めた。

 「彼のファーストサーブは確率も高く、コースもよかった。大事なポイントでエースが多かった」。確かに第1セットはトミックの第1サーブが際立っていた。クイックモーションで威力があり、コースも多彩。しかも第1サーブは75%の高確率。第3ゲームで3本のブレークチャンスを取り逃した錦織に次のチャンスはなく、3度目の対戦で初めてセットを落とした。

 第2セットは錦織が奪い返したが、第3セットも先手を取られた。「もう少し自分のサービスゲームを耐えてプレーできていれば、もっとプレッシャーもかけられた」。地元の声援を背に勢いづくトミックはラリーでも粘り強さを発揮。錦織は第2ゲームを落とすと、ブレークバックした直後の第4ゲームも再び落として万事休すとなった。

 ひどく落胆する内容ではないが、足をすくわれたことに変わりはない。フルセットまでもつれた場合の勝率はB・ボルグ(・744)やN・ジョコビッチ(・741)らをしのぐ歴代1位(・787、昨季までの数字)。しかし昨年9月の全米オープン以降に限れば5勝4敗(・556)で、昨季後半戦で失った勝負強さを取り戻せるかが今季の成否に直結する。

 「まだ1大会目なので、そこまで気負うことはない。しっかり練習して、全豪オープンへどう調整するか」。唯一の前哨戦はベスト8。錦織の視線は既に全豪へと向いていた。

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