ゴルフ界の同期の絆 “花の86期生”の活躍に期待

[ 2015年12月27日 08:50 ]

2014年度LPGAプロテストでそろってプロテストに合格し、Vサインする柏原明日架と堀琴音

 先日、都内で行われた表彰式の会場で同年入社の同期に会った。彼女は転職して別の企業で働いているので厳密には現在は同期ではないのかもしれないが、やはり再会はとてもうれしいものだった。ゴルフの世界にも同期という概念が存在する。プロテストの同年合格というのがその1つだ。

 選手の若年齢化が顕著な女子ゴルフでは15年シーズンも若手がツアーを盛り上げた。14年のプロテストに合格したいわゆるルーキーたちもそうだ。堀琴音はプロテスト受験中の14年7月に下部にあたるステップアップツアーのABCレディースに初出場し見事に初優勝。3位で最終プロテストをパスした後の10月の京都レディースでも優勝した。同年の最終予選会(QT)を45位とし、数は限られることになりながらも15年のレギュラーツアーの出場権を獲得。「最初は慣れないことが多かった」と開幕戦から3戦連続で予選落ちを喫するも、持ち前のショット力を生かして用具契約先の冠大会である中京テレビ・ブリヂストン・レディースで5位に入るなど活躍。賞金ランク33位で初のシードを決めた。

 14年のプロテストに9位で合格し、堀とは同期の柏原明日架。最終QTで58位と出場試合が限定される厳しい状況だったが、15年は日本女子オープンで優勝争いの末に4位となるなど20試合で約1700万円を稼ぎ、50位とぎりぎりでシードを獲得した。

 11月の大王製紙エリエール・レディースで賞金ランク51位の福田裕子と約2万円の差でシードを決めた柏原。彼女の囲み取材が終了した後にもう少し聞きたいことがあったので、テレビの取材を終えた柏原に声をかけて話していたところ、おもむろに堀が近づいてきた。ニコニコしながら「よかったね~!」と柏原に抱きつくと、すぐに堀の目からは涙が。柏原も「なんで泣いてるの~」と言いながらもらい泣き。「同期はすごく仲が良いんですよ。試合会場で会う度にお互いの目標を語りあったりして、モチベーションに変えていた」(柏原)。ほほえましいシーンだった。

 12月のLPGA新人セミナーで堀、柏原、永峰咲希の14年プロテスト合格組を取材したが、いずれも来季の目標は「初優勝」と表情を引き締めていた。「同期の中で1番に優勝したいというのはあまりない。刺激を受けながらお互いに頑張りたい」と堀。来たる16年シーズンは実力者がそろう“花の86期生”の活躍に期待したい。(井上 侑香)

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2015年12月27日のニュース