五郎丸、3季ぶり得点王!ヤマハ発の逆転1位突破導いた

[ 2015年12月27日 05:30 ]

<キヤノン・ヤマハ発>後半3分、走り込んでトライを決める五郎丸

ラグビートップリーグ最終節・B組 ヤマハ発動機33―19キヤノン

(12月26日 秩父宮)
 最終節の8試合が行われ、B組のヤマハ発動機はキヤノンに33―19で勝利し、総勝ち点を29として同組1位でリーグ戦を終えた。1位の神戸製鋼が敗れ、2位のキヤノンを直接対決で破って前節3位から逆転。日本代表FB五郎丸歩(29)は1トライ2ゴール3PGの計18得点を挙げ、通算83得点で3季ぶり3度目の得点王に輝いた。ヤマハ発動機は初のトップリーグ王者を目指し、来年1月9日の1回戦でNTTコムと対戦する。

 超満員の会場で千両役者が主役を演じないわけにはいかない。5点リードの後半3分、右サイドからの展開攻撃で五郎丸がラインに参加。パスを受けた瞬間、前に立つ2人のディフェンスと「ずれている」と見るや、大外からのコールを無視して2人の間へと突っ込んだ。最後は絡みつかれながらも今季2つ目のトライ。キック時は静寂を創造する男が、この日最大の歓声を引き起こした。

 ゴールキックは4本中2本、PGは3本全てを決めて計18得点。試合後、混乱を避けるために今季は毎回行われている単独会見では「得点王、決まったんですか?」と逆質問した。同じ頃、前節まで1点差でランク1位のSO文字(トヨタ自動車)は試合の真っ最中。今季は開幕前にベストキッカー賞、ベスト15との3冠獲得宣言。「獲りたい。個人タイトルはチームのタイトルでもあるので」とキッカーらしくあらためて意欲を示した数十分後、3季ぶりの得点王が確定した。トライがなければ78得点で同時タイトル。五郎丸はやはり持っている男だった。

 この日の秩父宮は歴代最多入場人員を更新する2万5164人が入場。今季だけで歴代5傑中3つを塗り替える盛況に沸くが、うち2試合はヤマハ発動機の試合が含まれている。ブームを引っ張る五郎丸は現在も取材などでプライベートの時間を取れないほど忙殺されている。それでも「環境が人を変えるじゃないが自然と行動にも表れていると思う」とラグビー人気向上に一肌脱ぎつつ、ピッチ上でも活躍したからこそ歴代単独最多の3度目の得点王に輝いた。

 悲願のリーグ初制覇へ「チームもファンも期待しているのはキックだと思う」と自覚する。負ければ日本選手権連覇の可能性もなくなる究極の戦いでも、ゴールデンブーツはうなりを上げる。

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