宮原 初の70点台“自己ベスト”で首位発進「自信あった」

[ 2015年12月27日 05:30 ]

女子SPで首位に立った宮原

フィギュアスケート全日本選手権第2日・女子SP

(12月26日 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
 真っ白なリンクを真っ赤に燃え上がるフラメンコの世界に染め上げた。宮原がジャンプを跳ぶたびに拍手が大きくなる。ステップを刻むたびに熱気が高まる。「極度の緊張さえなければ、大きな失敗はないという自信はあった」。それは紛れもない女王の姿だった。

 「思った以上にうまく跳べた」という冒頭の3―3回転で勢いに乗った。NHK杯優勝、GPファイナル2位。今季積み上げてきた実績も、宮原に大胆さと勢いをもたらした。「ステップシークエンスの前は会場の皆さんが盛り上げてくれた」。3度のジャンプを含めてほぼノーミスにまとめ、演技点もトップの合計73・24点。国内大会のために国際連盟(ISU)非公認ながら、NHK杯での自己ベスト(69・53点)を更新した。

 たどり着いた70点台の高み。「特別なことはしていない」とこれまでと同じように通し練習を繰り返し、ステップもしつこく何度も確認してきた成果だ。今大会のウオーミングアップ会場はプレスルームと共用の小さな体育館。宮原は誰よりも早く現れ、報道陣の目を気にせず狭いスペースでダッシュを繰り返した。周囲を気にせず、集中して努力できる気質。それが宮原の持ち味だ。

 「フリーでは自分の世界観をつくり出して、会場全体を自分の世界にできるようにしたい。見ている方も気持ちよくなれるように」。まずはSPで会場をとりこにし、大会そのものも宮原の世界に染めていく。

続きを表示

この記事のフォト

2015年12月27日のニュース