33歳嘉風 最年長大関獲り目指す「20代より今の方が強い」

[ 2015年12月25日 05:30 ]

番付表を手にポーズをとる嘉風

 日本相撲協会は24日、初場所(来年1月10日初日、両国国技館)の新番付を発表し、3場所連続で三賞受賞の嘉風(33)が史上2番目に遅い新入幕から所要59場所で新関脇となった。33歳9カ月は戦後6番目の年長昇進。東京都江東区の尾車部屋で行われた記者会見では“大関獲り”を目指すことを宣言した。

 その目は本気だ。嘉風は新関脇を決めても「何も思っていません」と平然とした表情を浮かべ「大関になる権利を与えられた番付。33歳で大関を目指しても悪くない」と強気。しかも、今場所はその準備段階ではない。大関昇進の目安は三役3場所33勝。「初場所と春場所で全てを懸け、最初で最後だと思って大関を目指したい」。先場所は小結で8勝7敗。初場所で12勝以上の大勝ちをすれば春場所には大関獲りの可能性もある。既に勝負は始まっている。

 今場所で入幕60場所目の33歳だが「20代より今の方が強い」が口癖。遅咲きのきっかけは師匠の尾車親方(元大関・琴風)の言葉だ。3年前の春巡業で師匠は転倒して頸髄(けいずい)を損傷。懸命なリハビリに励んで職務に復帰した際に弟子に対し「体が元気に動くうちに好きなことを目いっぱいやっておかないと」と声を掛けたという。説得力十分のその言葉を聞いた嘉風は「今だったらまだ間に合う」と奮起。筋トレを積極的に取り入れ、生活面では新しい寝具を使うなど相撲に対する姿勢が一変し、結果もおのずとついてきた。

 大関に昇進すれば琴光喜の31歳3カ月を超えて最年長記録。新入幕からの所要場所でも増位山の60場所のスロー記録を超えることは確実だ。06年初場所に栃東が日本出身として最後に優勝してから今場所で丸10年。「タイミングが凄くうまくいけば(優勝は)できないこともない」。ベテランという言葉が似合わない33歳が新たな時代をつくる気でいる。

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2015年12月25日のニュース