吉田「結婚って言いたかったけど」“11年目の離婚”

[ 2015年12月25日 05:30 ]

囲み取材を終えて吉田がカメラマンにガッツポーズを見せる

 レスリング女子53キロ級で五輪4大会連続出場を決めている吉田沙保里(33)が24日、東京都港区のALSOK本社で緊急会見し、同社を年内で退社することを発表した。入社11年目での決断を「新たな挑戦」と位置づけた最強女子。女子選手初の五輪4連覇を目指すリオデジャネイロ・イヤーは、フリーで出発することになった。

 クリスマスイブの午後になって告知された緊急会見。吉田の口から飛び出したのは結婚ならぬ“11年目の離婚”だった。「年内いっぱいをもってALSOKを退社し、新たな気持ちでリオ五輪を目指していきます。こんなにたくさんの皆さんに集まっていただいたので、結婚って言いたかったんですけど…」

 前日の全日本選手権で優勝し、4大会連続の五輪出場が決まったばかりだったが、この日は特別契約社員としての契約更改日。慰留もあったが「人生は一度限り。生きている限りはいろんなことに挑戦したい」という吉田の思いは変わらなかった。先月中旬に相談を受けたというALSOKの大橋正教監督は「幅広い活動を希望している中で、会社のイメージを考えて発言してくれる子。最後になるかもしれない五輪の前に活動する中で、気を使ったのでは」と気持ちを代弁した。

 至学館大を練習拠点とし、栄和人監督の指導を受けることに変わりはなく、競技環境には不安がない。フリーとなればテレビやCM出演もグッと増える可能性はあるが、一方で「このままフリーか、どこかに所属するのかも今後考える」とし“移籍”の可能性も否定しなかった。妹分としてリオに出場する48キロ級の登坂絵莉(22)が来春入社する予定の東新住建など、愛知県を拠点とする企業が名乗りを上げる可能性もあり、五輪での大偉業達成を前に、女王がどういう決断をするか注目される。

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2015年12月25日のニュース