羽生 世界最高どこまで超えるか 完璧演技で新たな領域も

[ 2015年12月25日 05:30 ]

練習の合間、オーサーコーチに笑顔を見せる羽生

 フィギュアスケートの全日本選手権は25日、北海道札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開幕する。NHK杯、GPファイナルと世界最高得点を連発している羽生結弦(ゆづる、21=ANA)は24日、男子ショートプログラム(SP、25日)に向け会場で非公式練習に参加。12年に全日本を初めて制したリンクで3年間の成長を見せつけ、4連覇を飾る。女子の浅田真央(25=中京大)も女子SP(26日)に向けて調整した。

 14年ソチ五輪で金メダルを獲得し、世界最高得点を連発しても、プリンスに慢心はない。ファイナル3位・宇野、6位の村上、無良、小塚ら日本のトップと滑った、この日の非公式練習。「宇野選手はどんどん上がってくると思うし、僕は僕でどんどん上がっていけると思う。それはそれで凄く楽しみ」と羽生は他の選手にも敬意を表した上で、自らを鼓舞した。

 「村上選手も4回転サルコーの確率は素晴らしいと思うし、無良選手の4回転トーループの確率も素晴らしいと思うし、小塚さんのスケーティングも素晴らしい。どこを見ても素晴らしいスケーターだらけ。その中で自分が“しっかりトップを張っていけるぞ”ってプレッシャーをかけながら、やっていければいい」

 NHK杯で合計322・40点、ファイナルで330・43点。約1カ月で3試合目の厳しいスケジュールだが、「ある意味ではいいイメージを持ちやすい」と前向きに捉えている。国際大会と国内大会。舞台の大小を問わず、いつも通りのルーティンを心掛ける。「しっかり自分を考え、観察しながらコントロールできたらな」。練習では、いきなりループの回転が連続で抜けたが、フリー「陰陽師(おんみょうじ)」を流しての滑走ではサルコー、トーループの4回転を決めた。

 12年に全日本初制覇を飾ったリンクだが、感傷には浸らない。「全然、違う感覚で、今までの全日本と違う感覚で臨んでいる」。国際連盟(ISU)の公認スコアとならない全日本では13年にSPで103・10点、合計で297・80点と当時の世界最高を上回ったことがある。完璧に演じれば、今大会で330・43点を超える可能性もある。「自分の力を出し切るのが一番の目標」。今大会は来年3月の世界選手権の代表選考会を兼ねているが、羽生は既に代表入りが決定的。自らに集中し、86年の小川勝以来、29年ぶり5人目の全日本4連覇へ歩む。

 ▼世界選手権の代表選考 世界選手権は来年3月30日~4月3日に米マサチューセッツ州ボストンで開催。男子の枠は2、女子は3。全日本選手権優勝選手は決定。残りは全日本2、3位やファイナル出場選手、世界ランク、今季スコアの日本人上位3人から総合的に選考する。羽生はファイナル優勝、世界ランク1位、今季スコア1位で代表入りが既に確実になっている。

 ◆滑走順 滑走順抽選が行われ、男子の羽生は第4組4番目の全体22番目、宇野は全体24番目、30番目の最終滑走は15歳山本に決まった。女子は浅田が最終第5組1番目の全体25番目、全体30番目の最終滑走は昨年女王の宮原が務める。

続きを表示

2015年12月25日のニュース