緒方、田知本に警告 山下副会長「知識不足の過失」

[ 2015年3月5日 15:55 ]

女子選手への処分を発表する(右から)増地女子強化部長、南條女子代表監督、山下副会長

 全日本柔道連盟(全柔連)は5日、都内で強化委員会を行い、ドーピング違反の恐れのある市販薬を服用し、2月の国際大会を欠場した女子78キロ級の緒方亜香里(了徳寺学園職)と同70キロ級の田知本遥(ALSOK)を「警告」処分とすることを決めた。全柔連の懲罰規定は軽いものから注意、警告、登録停止、除名の4段階。女子代表の南條充寿監督と4人のコーチ、各所属先の了徳寺学園、ALSOKの監督の合計7人も「注意」を受けた。

 委員会では減量失敗で不出場の選手は強化指定を外す取り決めをしているが、委員会では「減量の話とはレベルが違う」との意見が挙がり、処分の軽重を比較する議論はなされなかった。アスリートとしての意識不足という点では同じにも見える今回の一件。山下泰裕副会長は「我々の感覚では計量失敗の方がはるかに大きい。計量失敗は自己管理能力不足であり、今回は知識不足の過失。全然重さが違うと思う」と“柔道界の論理”を説いた。

 女子強化部長の増地千代里氏によれば、緒方は出発前から市販薬を服用。「緒方は全くもって禁止成分が入っていることを把握してなかった。事前に調べて飲むこともしてなかった」という。同部屋だった田知本は緒方の持参した錠剤が市販のパッケージではなく、ピルケースに入っていたことから「緒方さんなら(違反の薬かどうか)確認しているだろう」と早合点。薬を譲り受けて3日間服用した後で突然不安に思い、申告したという。両選手は試合に出場せずにすぐに帰国させられた。今回の決定を受け、来月4日からの全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)には予定通りに出場する。

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2015年3月5日のニュース