厳戒首都1万人配置、ランニングポリスも登場 22日東京マラソン

[ 2015年2月20日 18:47 ]

昨年2月の東京マラソンで、靖国通りを埋め尽くすランナー

 過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件など国際テロ情勢が緊迫する中、22日の東京マラソンは厳戒態勢が敷かれる。ペットボトルは持ち込み禁止、走って警備に当たる「ランニングポリス」も初出動。5年後の東京五輪を見据え、官民が過去最大規模の1万人でテロ防止に取り組む。

 前後に大きく赤字で「POLICE 警視庁」。白いベストに短パン姿のランニングポリスが警視庁の警備の目玉だ。選抜された64人が約10キロずつを分担して走り、コース上だけでなく応援する人が集まる沿道の不審な動きにも目を光らせる。

 走るのは20~40代の男女で、箱根駅伝に出場経験がある猛者も。警笛や特殊警棒、催涙スプレーを携行し、顔の横に装着した小型カメラの映像は警視庁本部にリアルタイムで送信される。「ランナー目線で警戒する国内外でも珍しい取り組み」(警備部幹部)という。

 不測の事態が最も懸念されるのが、3万6千人のランナーが集まる都庁前のスタート地点だ。東京マラソン財団によると、金属探知機を昨年の4台から50台に増やし、ペットボトルや水筒、缶の持ち込みを禁止。爆発物を発見するために警備犬も投入する。

 スタート、ゴール地点を含めて警視庁の警察官4500人に6千人の警備誘導員を合わせた1万人超を配置。昨年の11台から21台に倍増させた監視カメラに加えて街頭の防犯カメラも活用し、安全なレースを目指す。

 レースは都庁前を出発し、皇居周辺を通過、銀座や浅草などをへてゴールの東京ビッグサイトへ。大人数が長距離を走るだけに、交通規制も大規模だ。警視庁によると、首都高速道路の出入り口10カ所を封鎖し、週末恒例の銀座の歩行者天国も中止する。

 市民ランナーのマラソン熱が高まる中、2013年には米ボストン・マラソンで爆破テロが発生。20年には東京五輪も控えており、警視庁幹部は「テロは対岸の火事ではない。安全最優先で進め、成功体験を五輪につなげたい」と意気込む。

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2015年2月20日のニュース